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2007年3月23日 (金)

Bookcover 新聞社―破綻したビジネスモデル (新潮新書) [a]
河内 孝 / 新潮社 / 2007-03
毎日の元経営幹部が,新聞社の経営について書いた本。知らなかった話が山盛りで,大変勉強になった。
 日産のゴーン改革のあおりで,ビデオリサーチの新聞閲読調査(J-READ)が大きな影響力を持つようになり,その結果がABC調査とかなりちがうので,広告主の新聞広告不信を招いている由。そもそもABC調査は実配部数を調べるものではないんだそうで,公査部数には押し紙(販売店が買って配らず捨てる分)も含まれており,真の実配部数は新聞社にさえわからないんだそうだ。おそろしい世界だなあ。
Bookcover ブッシュのホワイトハウス(上) [a]
ボブ・ウッドワード / 日本経済新聞出版社 / 2007-03-07
Bookcover ブッシュのホワイトハウス(下) [a]
ボブ・ウッドワード / 日本経済新聞出版社 / 2007-03-07
ここのところの通勤本。ウッドワードのブッシュ政権リポートのなかで,第三弾のこの本が一番印象にのこった。ベスト・アンド・ブライテストな高官たちが人生を賭けて取り組むイラク政策が,なぜかことごとく失敗していく様子は,なんだか古典悲劇のようでさえある。
 イラクの戦後運営を任された退役将校のガーナーは,官僚主義と政治的暗闘に翻弄されたあげく事実上更迭されてしまうのだが,後任のブレマー特使が深刻な過ちを犯していると考え(たとえばイラク軍の解体),上司のラムズフェルドにその旨諫言するものの,まったく聞き入れられない。で,退任のあいさつにホワイトハウスを訪れ,大統領と歓談する機会を得るが,そのときに自分の意見を口にすることはなかった。なぜそうしなかったのかと後に問われていわく,「わたしは大統領の部下ではなかった」「ラムズフェルドの部下だった。わたしは軍人なんだ」
 なんだかどこかで聞いたような話だ。仮にこれが日本のエピソードなら,タテ社会に埋もれて真実をおろそかにする,これこそ日本人の典型的な欠点だね,と誰もがいうだろう。ここにあるのは文化の問題ではなく,組織というものが普遍的に抱えている宿痾なのだと思う。

ノンフィクション(-2010) - 読了:03/23まで (NF)