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2007年4月 9日 (月)

Bookcover 統計的因果推論―回帰分析の新しい枠組み (シリーズ・予測と発見の科学) [a]
宮川 雅巳 / 朝倉書店 / 2004-04
こういう技術的な専門書を指して読了というのも変なものだし,そもそも全て読み込めたわけではないんだけれども,ここのところしばらく,この本とEdwardsの本に没頭していたので,記念に記録しておく。
 統計データから因果関係を分析する,という問題について正面から述べた本。正直言って,最初の数章で膝を打ちまくり,以降の数章で目から鱗がぽろぽろと落ちる,という案配であった。不勉強を恥じなければならないが,これまでは「この独立変数は従属変数の原因にちがいないし,独立変数間の相関も低いから,偏回帰係数は因果的影響の強さを表すと言って良いでしょう」,などと間抜けなことを口走っていたのである。私が間違っていました。原因か否かという定性的判断と,因果的影響の強さの定量的把握とは,なるほど別の話なのだ。
 基本的に数学の専門書であるから,途中でどうしても理解できない箇所があり,なんともつらい。バックドア基準をめぐる議論なども,理解できたとは言い難い。それでも,回帰モデル構築に際して有向独立グラフが強力な武器になる,という点は胸に染みた。共変量の選び方について,はじめて明確な指針を得た思いである。
 ああ,俺のこの感銘など,専門の人から見たら児戯に等しいものであろう。この数学音痴が,勤務先ではなぜか解析の専門家を気取っているのである。切なくて涙がでてきちゃいますね。

データ解析 - 読了:04/09まで (D)

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