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2008年10月21日 (火)

Cohen, J. (1992) A power primer. Psychological Bulletin, 1992, 112(1), 155-159.
仕事の都合で,効果量についてあわてて勉強する羽目に。正直,よく知らんのである。別に心理学の論文書く訳じゃないからどうでもいいと思って,油断していた。
とりあえず,有名な先生が書いた啓蒙論文を拾ってきて目を通したところ,さあこれからだ,というところでいきなり最終ページに到達してしまい,ちょっと呆然。効果量が出てくる主な文脈として,(1)サンプルサイズを決めたり検定力を求めたりするとき,(2)個別の研究で検定のかわりに,(3)メタ分析のとき,の3つがあると思うが,この論文は(1)だけに焦点を当てた内容であった。(2)の方向の説明が欲しかったのに。がっくりしたが,読み終えるまで気がつかない方がどうかしている。
 よく効果量の説明で,Cohenの提唱する基準(小0.2, 中0.5, 大0.8)ってのが出てくるけど,その根拠はどこにあるのかしらん。この論文にも出てきたけど,特に説明はない。やっぱり本を読まなきゃいけないようだ。Cohen先生も, For readers who find this [simplest explanation] inadequate, I unhesitatingly recommend Cohen(1988) なあんて書いておられる。うーん,こういうときのunhesitatinglyってのは,ちょっとユーモラスなニュアンスがあるのかな,そうでもないのかな。

Fern, E.F., Monroe, K.B. (1996) Effect-size estimate: Issues and problems in interpretation. J. Consumer Research, 23, 1996.
(2)のタイプの論文。これは消費者行動系の雑誌論文なので,職場で堂々とめくっていたのだが(別に誰も気にしちゃいないと思うけど),今度は眠くて参った。
内容は,まず効果量指標のレビュー(案外いっぱいあるのだ。ただの平均差の効果量さえ3種類もあるぞ)。それから効果量に影響する様々な要因についてのレビュー(指標の信頼性とか,標本の等質性とか,尺度の水準数とかなんとか)。途中で面倒になっちゃって,適当に読み飛ばしてしまった。
効果量は重要性の指標ではない。効果量に実質的な有意性とか重要性とかを帰属させようとする人への最良のアドバイスは「やめとけ」だ,とのこと。いや,正論ですけどね。じゃあ重要性を求めろっていわれたら,どうすりゃいいのさ。

 いまこれを書くためにぱらぱらめくってみたら,読んだ覚えのない面白いことが書いてあって,こりゃよほどいい加減にめくったな,と反省。これではただの自己満足だ。
 標本サイズのくだりで,こんな事が書いてあった。有意な結果が得られたとき,その標本サイズが小さいとその結果を当てにしない人が多いが,これは伝統的な観点からは理屈に合わない(効果量はむしろ大きいわけだから)。しかしベイジアンの観点からみると,効果が同じなら大標本のほうがより証拠として価値がある,という見方は正しいのだそうだ。この話,前にどこかで(たぶん別の文脈で)読んだことがあるんだけど,どこだっただろうか? 思い出せなくて気持ちが悪い。

論文:データ解析(-2014) - 読了:10/21まで (A)