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2010年4月11日 (日)

賢治に扮した農民「肺炎をこじらせてしまって。」
女車掌「あんまり無理をしたからでしょ。思い残すことは?」
賢治に扮した農民「ひろばがあればなあ。どこの村にもひろばがあればなあ。村の人びとが祭りをしたり,談合をぶったり,神楽や鹿踊をたのしんだり,とにかく村の中心になるひろばがあればどんなにいいかしれやしない。」
女車掌「ずっと先にも同じことを思い残していった人がいたわ。あなたの思いをまたきっと誰かが引きつぐんじゃないかしら。」
賢治に扮した農民「しかし日本では永久に無理かな。」
女車掌「でもないでしょ。どんな村もそれぞれが世界の中心になればいいのだわ。そして農民がトキーオやセンダードやモリーオの方を向かなくなる日がくれば,自然に,村の中心にひろばができるわ。だって農民は村をみつめるしかなくなるもの。」

井上ひさし「イーハトーボの劇列車」より

雑記 - 井上ひさしさん死去