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2010年8月 2日 (月)

Bookcover 生きのびるための建築 [a]
石山 修武 / エヌティティ出版 / 2010-03-26
近所を散歩していると,なんだか怪しげな掘っ立て小屋のような住宅があって,垣根の隙間からのぞき込むと,敷地内の庭だか空き地だかに,四季折々の花が美しく咲いていたりする。しばらくしてから知ったのだが,それはある高名な建築家の有名な自宅なのだった。なんでもその先生はこの自宅で建築学会賞を取ったそうだから,きっと現代建築マニアの間では広く知られた代物なのだろう。
 一昨年,世田谷美術館でこの建築家の展覧会があった。その展示の内容は...ご自宅の模型を含め,なんというか,壮大な冗談というか,名をなした人にだけ許される幻視というか。この先生に設計を頼もうという施主のほうが偉いよねえ,と途方に暮れて眺めていたら,その展示室の片隅に机やらパソコンやらがあり,院生らしき若者もいて,なんでも展示期間中は先生の研究室ごと美術館に移転しており,会期中先生は希望者に対して夜の美術館で講義をなさる由であった。その石山先生という方,どんな偉丈夫かと想像を膨らませていたら,不意に「先生」と呼びかける声がある。見ると,俺の隣で所在なげにうろうろしていた貧相な初老の男こそが,かの石山先生その人なのであった。近所ですれ違っても絶対にわからない。
 というわけで,先生のお仕事については残念ながらからっきし理解できないわけだが,その際に美術館で行った講義をまとめたこの本は,講義録というフォーマットのせいか,門外漢の俺にも大変面白かった。

 内容をメモしておきたいのだけれど,なんだかめんどくさくなってきてしまった。。。この本に関しては,自分だけが密かに面白がっているということで,ま,よしとしようか。

ノンフィクション(-2010) - 読了:「生きのびるための建築」