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2011年5月 6日 (金)

連休につき,不要不急の本ばかり読んでみた... のだが,考えてみたら,普段からそうであった。

Bookcover ローマ人への20の質問 (文春新書) [a]
塩野 七生 / 文藝春秋 / 2000-01
かの「ローマ人の物語」執筆と並行して出版された,ローマ文化紹介の本。対話体で,比較的に軽めな内容であった。

Bookcover 増補新装 カラー版日本建築様式史 [a]
太田博太郎,藤井恵介,宮本長二郎,上野勝久,丸山茂,松崎照明,平山育男,後藤治,藤田盟児,光井渉,大野敏,中谷礼仁,松隈洋 / 美術出版社 / 2010-03-24
図版が山ほど載っていて楽しい本なのだが,解説の文章のほうは,どうもとっつきが悪くて...
 この本に限らず,建築の世界はことばで損していると思う。たとえばこの本だと,近代の日本建築についての章にもっとも面白そうなことが書いてある。著者は建築様式を細部装飾のテンプレートとして捉える見方を「ひながた主義」と呼び,西洋建築受容の枠組みとして位置づける。コンクリの豆腐みたいな形のモダニズム建築だって,日本ではまず「ひながた主義」的に理解された,というのである。なんだか面白そうではないか。ところが,せっかく関心を持って読み進めても,建築の世界の独特の言い回しにじゃまされてしまう。「ひながた主義」の克服について論じたくだりで,戦中に北村捨次郎という棟梁が設計した数寄屋が紹介されるのだが,「貴人口外には中庭の池を引き込んだ庭があり,その縁の端の平の手すりが直交したディテールには束が立っていない。[...] その開放性,自由なディテールの処理は,十分に『ひながた主義』から脱却しているのである」 この描写には大きな写真が添えられているが,それと見比べても,俺にはさっぱりわからない。束が立っていないってどういうことだ? せっかく大事なことを言っているように思われるのに,もったいないことだ。

ノンフィクション(2011-) - 読了:「ローマ人への20の質問」「日本建築様式史」

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