elsur.jpn.org >

« 売上大感謝祭:2010下半期 | メイン | 売上大感謝祭:2011第1四半期 »

2011年5月12日 (木)

Corstjens, M., Lal, R. (2000) Building Store Loyalty Through Store Brands. Journal of Maketing Research, 37(3), 281-291.
 ちょっと思うところあって目を通した論文。
 あるカテゴリのナショナル・ブランド製品とプライベート・ブランド製品の2つだけを扱う小売店が2軒あり,消費者がそのエリアに均等に散らばっている... というような単純化された状況を想定し,それぞれの店が利益最大化のために価格をどのように設定するかについてゲーム理論的分析を行いました。その結果,もしPB製品の品質が良く,かつNBを買い続ける人がある程度多いときには, PBは店舗の利益に貢献するし,過度な価格競争を回避し両方の店を共存共栄にみちびく,ということが示されました。この結果は実際のパネルデータでも裏付けられています。という論文。

 数理的分析のほう,面倒なので読み飛ばしたのだが,要するに,上のような状況ではブランド・スイッチしやすい消費者が自店のPBに乗り換えてくれるから,PBは店の差別化要因になる,ということらしい。NBよりPBのほうが利益率が高いからPBを売ったほうが良い,という話ではない。
 NBを買い続ける人が多すぎても少なすぎても駄目だ,というところがこの分析のミソで,どうやら,多すぎるとNBでの価格競争,少なすぎるとPBの価格競争に突入する,ということらしい。ふうん。こういう抽象的状況での数理的分析による知見が,いったいどのくらい実世界にあてはまるのか,いまいちぴんとこないなあ。
 実データの分析のほうは,世帯スキャンデータをつかって店舗への支出額についての重回帰分析を行い,その店舗に行った回数を調整した後でも,PB購入額の割合が高い店舗のほうが支出額が大きいです,という話であった。決定的証拠とはいいにくそうだ。

 毎度のことながら,マーケティング分野の論文の良し悪しはさっぱり見当がつかない。これは単に俺の知識が足りないからだろう。ま,他の分野なら見当がつく,と胸を張れるわけでもないしな。

論文:マーケティング - 読了:Corstjens&Lal(2000) ストア・ブランドによる店舗ロイヤリティ構築