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2013年4月17日 (水)

Bookcover 近代家族の成立と終焉 [a]
上野 千鶴子 / 岩波書店 / 1994-03-25
 消費者調査に関連する仕事をして糊口をしのいでいるのだが、世の中知らないことやわからないことばかりで、ときどきなんだか他の惑星からやってきた宇宙人になったような気がすることがある。仕事の話なのであまり書けないけど、最近ひょんなことから、結婚というものは実に奇妙なモノだなあと、目を見開くような機会があった。知っている人にとっては当たり前の、結婚にまつわるあれこれのなかに、考えてみれば随分不思議なことが隠れている。たとえば、結婚指輪って、あれ、いったいなんなのでしょうね。指に金属の輪っかをはめるんですよ?いったいどういうわけでそんなことに。
 いまさら世間の常識や業界事情を学んでも追いつかないし、本質には迫れない。もっと原理的なところから考えなければ。。。と思い立ち、本棚に死蔵していた上野千鶴子のハードカバーを手に取った。大きな賞をとった本だし、さぞや読みにくかろうと放置していたのである。読み始めてびっくりしたのだけど、これ、雑誌の寄稿などの短い文章の集成であった。ちゃんと目次と後書きくらい読んでから買えってことですね。読みやすくて助かったけど。
 面白かった箇所、勉強になった箇所は多かったが。。。日本近代における「家」概念の成立について概観した「日本型近代家族の成立」、江藤淳『成熟と喪失』の文庫本解説として書かれたという「『母』の戦後史」、そして家電製品の普及が家事労働にもたらした(もたらさなかった)変化について述べた「技術革新と家事労働」、の三編が特に面白かった。

Bookcover お伊勢参り - 江戸庶民の旅と信心 (中公新書) [a]
鎌田 道隆 / 中央公論新社 / 2013-02-22
江戸時代の「おかげまいり」について述べた本編も面白かったのだが、最終章、著者の先生が学生たちと毎年行っていたというお伊勢参りの話が面白い。これはやっぱり、学生たちの徒歩ツアーを無償で支える、街道沿いの人々が偉い。。。

Bookcover 小さな建築 (岩波新書) [a]
隈 研吾 / 岩波書店 / 2013-01-23

Bookcover 琳派のデザイン学 (NHKブックス No.1202) [a]
三井 秀樹 / NHK出版 / 2013-02-23
琳派は偉大だ! 日本は素晴らしい! という内容であった。うぐぐぐ。

ノンフィクション(2011-) - 読了:「琳派のデザイン学」「近代家族の成立と終焉」「お伊勢参り」「小さな建築」

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