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2016年8月25日 (木)

Masson, M.E.J., A tutorial on a practical Bayesian alternative to null-hypothesis significance testing. Behavioral Research Methods, 43, 679-690.
 先日目を通した Wagenmakers(2007 PB&R) に基づく、手取り足取りなチュートリアル。要するに、p値じゃなくて2つの仮説のBICの差を見ましょう、なぜならそれを2で割るとベイズ・ファクター(BF)の対数の近似になるから。という話である。
 いくつかのANOVAについて計算例を手取り足取り示している。

 あまりに眠くて眠くて、数行ごとに意識を失った。途中からは目がつつつーっと滑っていく感じ。ろくに読めていないが、整理の都合もあるし、今回はご縁がなかったということで、読了にしておく。

 ひとつだけ、あれ、と思った点をメモしておくと...
 かんたんなANOVAのBICは、誤差の正規性を仮定すれば
 $BIC = n \log (1-R^2) + k \log(n)$
 と書けるが、ここでの$n$とはなにか。素直に考えるとデータサイズだが、反復測定ANOVAのときには話がややこしい。対象者数$s$, 条件数$c$として、独立な観察数は$n=s(c-1)$だからこれを使おうという意見と、$s$を使おうという意見がある由。そういや、Wagenmakersさんもそんなことを書いていたな...。著者は前者を採用している。

 こうしてBFをBICで近似するのは、まじめに周辺尤度を求めるのが大変だからだろうと思う。でも、BICの差は必ずしもベイズ・ファクターの良い近似にならないはずなので、もし特定の適切な事前分布の下で解析的にベイズ・ファクターが出せるんなら、そっちのほうが気が利いていると思うんだけど。ANOVAでは無理なのだろうか。そこについての言及はとくになかったと思うが、見逃している可能性も高い。

論文:データ解析 - 読了:Masson (2011) p値はやめてBICの差を使いなさい:実践編