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2016年8月26日 (金)

 ほんとはいまそれどころじゃないんだけど、前に取ったメモを忘れないうちに記録しておく。(現実逃避)

McEntegart, D.J. (2003) The pursuit of balance using stratified and dynamic randomization techniques: An overview. Drug Information Journal, 37, 293-308.
 実験研究で対象者を条件に割り付けるとき、無作為割り当てに頼っていてよいか? 重要な共変量については標本設計の段階で条件間できちんとバランスさせておいたおいたほうがよいのでは?それはなぜ?そしてどうやって?... という話題があって、その医薬統計向け解説。医学分野での実験では、多施設で同時に実験するとか、対象者が徐々に増えていくとか、そういう特有の事情があって、案外話題が尽きない模様なのである。
 雑誌の性質はよくわからないが、NACSISで所蔵館17館だから、そんなに妙なものではないだろう。現誌名はTherapeutic Innovation & Regulatory Science となっているらしい。

 以下、内容メモ。

 標本設計の段階で予後因子[共変量のことね]を条件間でバランスさせるのはなぜか。

 バランスを保ちつつ無作為割り当てする方法。

 手法選択における考慮ポイント。

 分析について。厳密に言えばrerandomization testをやるのが正しい。著者もFDAにそう命じられたことがある。いっぽう、対象者参加順の時間トレンドがない限り、バランスさせた要因を分析に含めれば、標準的な検定でよいという意見もある。こっちのほうが多数派で、シミュレーションで支持する報告もある。当局にrerandomizationで検定しろって突っ返されるのがどうしても嫌だったら別だけど、黙って標準的検定をやってりゃいいんじゃないでしょうか。
 云々。

 。。。この話、市場調査にすごく縁の深い話なんだけど、これまでにきちんとした解説をみたことがない(たいていの市場調査の教科書は社会調査のアナロジーで書かれており、統制実験という視点が乏しいからだと思う)。また、詳しくはちょっと書きにくいけど、実査現場でものすごく奇妙な慣習が横行している領域でもある。これは実査側の問題でもあり、発注側の問題でもあるので、いつかきちんとまとめたいものだ。。。(現実逃避)

論文:データ解析 - 読了:McEntegart (2003) 共変量の分布をバランスさせつつ実験条件に対象者をうまく割り当てる方法レビュー