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2016年9月 7日 (水)

Fabrigar, L.R., Wegener, D.T, MacCallum, R.C., Strahan, E.J. (1999) Evaluating the use of exploratory factor analysis in psychological research. Psychological Methods, 4(3), 272-299.
 心理学における探索的因子分析(EFA)の使われ方について批評する内容。ホットな話題とはいいにくいが、仕事の役に立つかもと思って目を通した。仕事ってのはですね、実に地味地味しいものなのですよ。そんなことないですか。

 中身は無視して概要だけメモしておく。いや、眠くて参った。

 前半は方法論的諸問題の整理。
 その1、研究デザイン。項目をうまく集めること、標本をうまく集めることが大事だ、云々。
 その2、EFAが適切か。PCA, CFAとの比較。
 その3、適合手続きの選択。ML法, 主因子法の特徴。
 その4、因子数の選択。少なすぎる・多すぎることの弊害、カイザー基準とかスクリー基準とか平行分析とか適合度指標とか。
 その5、回転法。単純構造、直交と斜交のちがい、など。

 後半は事例による説明。すんません、読んでないです。

 最後に、JPSPならびにJ.App.Psych.誌上でEFAを使ってる論文を集めて集計。半分近くがvarimaxを使ってましたとか。ま、この辺は時代によるのでは...。

 まとめ。EFAの使われ方は概してなっとらん。その理由のひとつは、EFAについてのユーザ向け解説やトレーニングの不足であろう。また、前例に従うという悪しき伝統のせいでもある。簡単なソフトが普及しちゃった割には機能が貧弱だ、という理由もある。精進せえ。云々。

 。。。正直、体調のせいでもう眠くて眠くて、何度も意識を失った。でも、おまえらEFAでデータ縮約してんじゃねえよとか、主因子法にもそれはそれでいいところがあるんだとか、実際に手を動かす人にとってとても役に立つ内容であったのではないかと思う。日頃みようみまねで因子分析しているけど、これでいいのかいまいち不安だって人、こういうのをきちんと読むといいんじゃないすか。わたしゃきちんと読んでないけど。どうもすいません。

 気になった点をメモ。事例のところで、適合度としてRMSEAのほかにECVI(expected cross-validation index)というのが用いられている。これ使ったことないなあ。LISRELやPROC CALISで出るらしい。Mplusではどうすんのかなと思ったら、tech5の出力から手計算できる、というようなことがMplusの掲示板に書いてあった。MacCallum, et al.(1994 MBR)というのをみるといいらしい。 ふーん。

論文:データ解析(2015-) - 読了:Fabrigar, et al. (1999) おまえらの探索的因子分析はまるでなってない、もっと精進しろ

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