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2020年2月17日 (月)

Bookcover 中国 人口減少の真実 (日経プレミアシリーズ) [a]
村山 宏 / 日本経済新聞出版社 / 2020-01-11
皮肉でもなんでもなく素直に感心しているんだけど、日経新聞の編集委員ともなると、中国メディアの最近の面白記事をピックアップしてコメントをつけただけで、こうして本が一冊書けちゃうんですね。(本当に皮肉ではない。だって誰にでもできることではないじゃないですか)

読了:「中国 人口減少の真実」

Bookcover 刑務所しか居場所がない人たち : 学校では教えてくれない、障害と犯罪の話 [a]
山本 譲司 / 大月書店 / 2018-05-17
「でも、断言しよう。[知的]障害のある人たちだって、かならずコミュニケーションができる。[...] いちばん共感しやすいのは「悲しい」という感情だ。障害のある人は、悲しい思いをたくさん経験しているから、他人の悲しみに敏感だ。[...] とくに、お母さんが悲しんでいる気持ちはすぐに察する。お母さんの表情が少しでも曇れば、彼らも落ち着かなくなる。そんなとき「悲しいね」「つらいね」って声をかけていると、いつしか心を開いてくれる」

Bookcover コラボ゠対独協力者の粛清 (文庫クセジュ) [a]
マルク・ベルジェール / 白水社 / 2019-11-09

Bookcover 「歴史認識」とは何か - 対立の構図を超えて (中公新書 2332) [a]
大沼 保昭 / 中央公論新社 / 2015-07-24
話し手の先生(故人)は、村山内閣のときにできたアジア女性基金の理事を務めた人。私もまたあの頃は、国による補償ではなく募金だなんて、と反発していたのだが、このような世の中になってしまったいまにして思えば、なにもしないよりは全然ましだったんだろうなあ、と...

Bookcover マトリ 厚労省麻薬取締官 (新潮新書) [a]
瀬戸 晴海 / 新潮社 / 2020-01-16

Bookcover マタイ受難曲 (ちくま学芸文庫) [a]
礒山 雅 / 筑摩書房 / 2019-12-10
夜中にマタイ受難曲を流しながらちびちびと読んだ。楽曲解説にはいると、音楽学の専門用語が頻出しちんぷんかんぷんなんだけど、それでもそれなりに楽しく読了。

読了:「マタイ受難曲」「刑務所しか居場所のない人たち」「コラボ=対独協力者の粛正」「『歴史認識』とはなにか」「マトリ」

2020年2月16日 (日)

Bookcover 六四と一九八九:習近平帝国とどう向き合うのか [a]
/ 白水社 / 2019-12-25
昨年に明治大で開かれたシンポジウムを基にした論文集だそうだ。張博樹という民主派知識人(現在は米在住) の章が興味深かった。

Bookcover ハンナ・アーレント (ちくま新書) [a]
大輔, 森分 / 筑摩書房 / 2019-06-06

Bookcover ジャパン・ストーリー 昭和・平成の日本政治見聞録 [a]
ジェラルド・L・カーティス / 日経BP / 2019-05-23

Bookcover 新編 戦後翻訳風雲録 (大人の本棚) [a]
宮田 昇 / みすず書房 / 2007-06-02
著者は早川書房の編集者出身。田村隆一がいかに迷惑な人であったかという話が縷々述べられていて、こういっちゃ申し訳ないけど、とても楽しく読んだ。
 鮎川信夫が亡くなったあと、独身だったはずの鮎川の妻として年配の女性(最所フミ)が名乗りでて、周囲は仰天したのだそうだ。それって、ちくま文庫「英語類義語活用辞典」の最所フミではありませんか...

Bookcover 貞観政要 (ちくま学芸文庫) [a]
呉 兢 / 筑摩書房 / 2015-09-09

読了:「六四と一九八九 習近平帝国とどう向き合うのか」「ハンナ・アーレント」「ジャパン・ストーリー」「新編 戦後翻訳風雲録」「貞観政要」

2020年1月 2日 (木)

Bookcover 真実の終わり [a]
ミチコ・カクタニ / 集英社 / 2019-06-05

Bookcover ファシスト的公共性――総力戦体制のメディア学 [a]
佐藤 卓己 / 岩波書店 / 2018-04-05

Bookcover 財政破綻後 危機のシナリオ分析 [a]
/ 日本経済新聞出版社 / 2018-04-19

Bookcover 女たちのテロル [a]
ブレイディ みかこ / 岩波書店 / 2019-05-31

Bookcover 自民党 価値とリスクのマトリクス [a]
中島 岳志 / スタンド・ブックス / 2019-05-30

読了:「真実の終わり」「ファシスト的公共性 総力戦体制のメディア学」「財政破綻後」「女たちのテロル」「自民党 価値とリスクのマトリクス」

Bookcover 私は本屋が好きでした──あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏 [a]
永江朗 / 太郎次郎社エディタス / 2019-11-25
最近読んだ本の中ではベストワン。出版業界に詳しいジャーナリストとして知られる著者が、近年の書店に溢れたヘイト本をめぐって、作り手・流通・書店を訪ね歩き思い悩む。単純な悪人はいない。あまりに難しい、心が重くなるような話だけど... 平凡な読者としては、たとえ小さな声であっても、抵抗を続けるしかないんでしょうね。

Bookcover リベラル・デモクラシーの現在 「ネオリベラル」と「イリベラル」のはざまで (岩波新書) [a]
樋口 陽一 / 岩波書店 / 2019-12-20

Bookcover コケはなぜに美しい (NHK出版新書) [a]
善隆, 大石 / NHK出版 / 2019-06-11

Bookcover フィレンツェ――比類なき文化都市の歴史 (岩波新書) [a]
池上 俊一 / 岩波書店 / 2018-05-23
人生、準備不足で後悔することばかりである。この本にしたって、昨年現地に行く前に読んでおけばどんなに楽しかったか...

読了:「私は本屋が好きでした」「フィレンツェ」「リベラル・デモクラシーの現在」「コケはなぜに美しい」

2020年1月 1日 (水)

Bookcover 試される民主主義 20世紀ヨーロッパの政治思想(上) [a]
ミュラー,ヤン=ヴェルナー / 岩波書店 / 2019-07-27
Bookcover 試される民主主義 20世紀ヨーロッパの政治思想(下) [a]
ミュラー,ヤン=ヴェルナー / 岩波書店 / 2019-07-27
秋頃にずーっと読んでいた本。面白かったんだけど、読んだ直後にメモを取っておかないと、忘れてしまう...

Bookcover ミシェル・フーコー: 自己から脱け出すための哲学 (岩波新書) [a]
康之, 慎改 / 岩波書店 / 2019-10-19

Bookcover 経済数学入門の入門 (岩波新書) [a]
田中 久稔 / 岩波書店 / 2018-02-21

Bookcover ルポ トランプ王国2: ラストベルト再訪 (岩波新書) [a]
隆一, 金成 / 岩波書店 / 2019-09-21

Bookcover マキァヴェッリ: 『君主論』をよむ (岩波新書) [a]
浩輝, 鹿子生 / 岩波書店 / 2019-05-22

読了:「マキァヴェッリ」「試される民主主義」「ミシェル・フーコー」「経済数学入門の入門」「ルポ トランプ王国2」

Bookcover 増補 普通の人びと: ホロコーストと第101警察予備大隊 (ちくま学芸文庫 (フ-42-1)) [a]
クリストファー・R・ブラウニング / 筑摩書房 / 2019-05-10
ナチスドイツの警察予備大隊に属する平凡な市民たちが、ポーランドでユダヤ人を大量虐殺するに至るプロセスを描く。人間の暗い謎のみが心に残る...

Bookcover 百代の過客 〈続〉 日記にみる日本人 (講談社学術文庫) [a]
ドナルド・キーン / 講談社 / 2012-04-11

Bookcover 砂漠の修道院 (平凡社ライブラリー) [a]
山形 孝夫 / 平凡社 / 1998-01-14

Bookcover リバタリアニズム-アメリカを揺るがす自由至上主義 (中公新書) [a]
渡辺 靖 / 中央公論新社 / 2019-01-18

Bookcover 政治の世界 他十篇 (岩波文庫) [a]
丸山 眞男 / 岩波書店 / 2014-02-15
話の本筋からは離れるんだけど、この本所収の「政治学入門(第一版)」(1949)の冒頭で、丸山がこんな逸話を披露している。一昨年(ってことは1947年頃)、丸山の研究室に大審院の判事が「知人の紹介状」をもって訪ねてきた。いわく、今度の最高裁長官の詮衡にあたり、裁判所内では醜悪な権謀術策が横行している。我々は××派の策動を阻止すべく、政治学専攻のあなたになにか示唆を与えて頂きたい。「大学の政治学の講義ではそういう政治的な術策については教えないのですか」。いや冗談じゃないよ、政治学ってのは政治的駆け引きを教えてるんじゃなくて...と、政治学とはなにかをひとしきり説明したが、あまり素っ気ないような気がしたので、マキャベリの「ディスコルシ」と「君主論」を貸した。(なお解説によれば、この逸話は初代最高裁長官の選出をめぐる紛糾を指していて、丸山のいう「知人」とは少数派を支持していた南原繁ではないか、とのこと)
 面白いなあ。敗戦後すぐの段階では、大審院判事のような知識階層のあいだでも、政治学という領域について十分なコンセンサスがなかったということかしらん。こういうエピソードは他の学問分野についても耳にすることが多い。我々が自明視している××学というのも、案外歴史が浅かったりするわけだ。

読了:「政治の世界」「リバタリアニズム」「砂漠の修道院」「百代の過客・続」「普通の人々」

Bookcover 寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容になるべきか 渡辺一夫随筆集 [a]
渡辺 一夫 / 三田産業 / 2019-11-18
いまどき渡辺一夫のエッセイ集が出るの!? 新刊で!?とびっくりして手に取った。版元は「三田産業」(トランスビューの扱い)。調べたところ、もとは神戸にある出版とは無縁な会社だったのだが、社会学の大学院を出た息子さんが後を継ぎ、ひとりで出版事業を始めたのだそうだ(うろ覚えなので、違ってたらすいません)。いまのところこの本のほか、坂口安吾の本を2点出している由。およそ反時代的というか、ドンキホーテ的な取り組みにも見えますが、うまくいくことをお祈りしてます...

Bookcover テロリストの誕生: イスラム過激派テロの虚像と実像 [a]
憲人, 国末 / 草思社 / 2019-10-21

Bookcover トラジャ JR「革マル」30年の呪縛、労組の終焉 [a]
研介, 西岡 / 東洋経済新報社 / 2019-09-20

Bookcover 日本型新自由主義とは何か――占領期改革からアベノミクスまで (岩波現代全書) [a]
菊池 信輝 / 岩波書店 / 2016-12-22

Bookcover 女のキリスト教史 (ちくま新書) [a]
節子, 竹下 / 筑摩書房 / 2019-12-06

読了:「女のキリスト教史」「寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容になるべきか」「日本型新自由主義とはなにか」「トラジャ」「テロリストの誕生」

8月頃以降に読んだ本。2019年はさらに読書量が減少した一年であった。いったいなんのために働いているのか... 本を買うためではないのか。2020年こそは、スマホを眺める代わりに本を読みたい。

Bookcover フィンランド語は猫の言葉 [a]
稲垣 美晴 / 猫の言葉社 / 2008-04
1981年刊、芸大卒業後フィンランドに留学した若い女性によるユーモア溢れるエッセイ。その後著者は自身の出版社「猫の言葉社」を設立、この本を自分の手で再刊したのだそうだ。実はこれ、自由価格本で手に入れた本だったので、版元のその後がちょっと心配になってしまったんだけど(解散した出版社の在庫が自由価格本として流通することは少なくない)、調べてみたところ健在であるようで、喜ばしい。

Bookcover 日本婚活思想史序説: 戦後日本の「幸せになりたい」 [a]
信, 佐藤 / 東洋経済新報社 / 2019-05-31
数年前、ふとした機会に友人から「婚活」体験の一端を聞かされ、そんな魂を削るような目に遭うことがあるのか... と言葉を失った。その後気になって、現代日本の結婚に関する資料をあれこれめくっていた。
 これもその一冊で、若い政治学者による啓蒙的読み物。もう少し深い解説が読めるかと思ったんだけど...

Bookcover 反転する福祉国家: オランダモデルの光と影 (岩波現代文庫) [a]
治郎, 水島 / 岩波書店 / 2019-01-17
2012年刊、オランダの福祉改革と排外主義の勃興を辿る内容。もう半年近く前に読んだ本なのでメモは書けないんだけど、とても興味深い本であった。とりわけ、反移民を唱える政治家フォルタインの彗星のような登場から暗殺に至るエピソードが印象深い。

Bookcover 芝園団地に住んでいます : 住民の半分が外国人になったとき何が起きるか [a]
大島 隆 / 明石書店 / 2019-10-04

Bookcover スターリニズムの経験――市民の手紙・日記・回想録から (岩波現代全書) [a]
松井 康浩 / 岩波書店 / 2014-02-19

読了:「日本婚活思想史序説」「フィンランド語は猫の言葉」「反転する福祉国家」「芝園団地に住んでいます」「スターリニズムの経験」

2019年9月30日 (月)

Bookcover コミュニティ (ちくま学芸文庫) [a]
バウマン,ジグムント / 筑摩書房 / 2017-12-07
ここんところずっと鞄のポケットに入っていた本。原著は2001年。面白いんだけど、難しい...
 いくつかメモ:

読了:「コミュニティ 安全と自由の戦場」

2019年7月 9日 (火)

かなり前に図書館で借りて読んだ本。

Bookcover JODK消えたコールサイン [a]
津川 泉 / 白水社 / 1993-07
金文輯(キム・ムンジップ)という人のエピソードが興味深かった。
 1909年に大邱に生まれ、早稲田中学、旧姓松山高を経て横光利一に師事、1935年に朝鮮に帰国。1938年に日本語の小説「ありらん峠」を書く(これは戦後に再刊された模様で、検索するとあちこちで古書を売っている)。日本の内鮮一体化政策を支持する批評家として、創氏改名に真っ先に名乗りを上げるが、改名した名前は「大江龍無酒之助」という実に人を食ったものであった。
 で、当時の新聞によれば、数々の破廉恥行為を働いた廉で検挙(別に濡れ衣というわけでもないらしい)。執行猶予となって日本に渡り、福岡日々新聞社に入社。1960年の時点で「財団法人国際文化学会」の理事長として、会報誌に「朝鮮!それは[...]朝鮮民主主義人民共和国の旗の下においてのみ自らを育成しうる単一民族国家である」という一文を寄せている由 (おそらく これのことだろう)。この人もまた、歴史に翻弄された人だったのだろう...

読了:「JODK 消えたコールサイン」

2019年7月 1日 (月)

小林勇「人はさびしき」 昭和48年、文藝春秋。
近所の古本屋さんで買った。著者は岩波の大番頭、のちの社長だが、晩年はエッセイストとしても知られたらしい。斎藤茂吉、長谷川如是閑といった、岩波と縁のある人々をめぐる回想録。

Bookcover 百姓一揆 (岩波新書) [a]
若尾 政希 / 岩波書店 / 2018-11-20

読了:「人はさびしき」「百姓一揆」

Bookcover 最後の資本主義 [a]
ライシュ,ロバート・B. / 東洋経済新報社 / 2016-12-02

Bookcover 永遠のファシズム (岩波現代文庫) [a]
ウンベルト・エーコ / 岩波書店 / 2018-08-18

Bookcover 生きづらい明治社会――不安と競争の時代 (岩波ジュニア新書) [a]
松沢 裕作 / 岩波書店 / 2018-09-21

Bookcover 情熱でたどるスペイン史 (岩波ジュニア新書) [a]
俊一, 池上 / 岩波書店 / 2019-01-23

Bookcover ヨーロッパ近代史 (ちくま新書) [a]
直隆, 君塚 / 筑摩書房 / 2019-01-08

Bookcover 百代の過客 日記にみる日本人 (講談社学術文庫) [a]
ドナルド・キーン / 講談社 / 2011-10-13

Bookcover 負動産時代 マイナス価格となる家と土地 (朝日新書) [a]
朝日新聞取材班 / 朝日新聞出版 / 2019-02-13

読了:「負動産時代」「百代の過客」「ヨーロッパ近代史」「情熱でたどるスペイン史」「生きづらい明治社会」「永遠のファシズム」「最後の資本主義」

Bookcover 丸刈りにされた女たち――「ドイツ兵の恋人」の戦後を辿る旅 (岩波現代全書) [a]
藤森 晶子 / 岩波書店 / 2016-08-25
東横線自由が丘駅前の書店で購入。学生時代に毎日のように通った本屋さんに少しでも長く営業を続けて欲しいものだから、通りかかるたび、できればハードカバーを買うようにしている。先日はどうも買いたいものが見当たらず、思い切って適当に手に取った本をレジに持っていったのだけれど、これがとても興味深い本であった。本との出会いというのはわからないものである。

Bookcover 宣教のヨーロッパ-大航海時代のイエズス会と托鉢修道会 (中公新書) [a]
佐藤 彰一 / 中央公論新社 / 2018-11-17

Bookcover 火付盗賊改-鬼と呼ばれた江戸の「特別捜査官」 (中公新書) [a]
高橋 義夫 / 中央公論新社 / 2019-02-20

Bookcover 林彪事件と習近平 (筑摩選書) [a]
浩一, 古谷 / 筑摩書房 / 2019-05-14

Bookcover トッカイ バブルの怪人を追いつめた男たち [a]
清武 英利 / 講談社 / 2019-04-24

Bookcover イタリア史10講 (岩波新書) [a]
暁夫, 北村 / 岩波書店 / 2019-03-21
いちおうイタリア通史なんだけど、近現代史がやたらに充実しているところが特徴的であった。著者の先生のご専門なのだそうだ。

読了:「イタリア史10講」「林彪事件と習近平」「丸刈りにされた女たち」「火付盗賊改」「宣教のヨーロッパ」「トッカイ」

2019年1月28日 (月)

Bookcover 豆腐と生きる 2 今、伝えたいリーダーの言葉 豆腐メーカー経営者インタビュー集 [a]
フードジャーナル編集部 / 株式会社フードジャーナル社 / 2016-07-29
豆腐好きが高じてついつい買ってしまった。食品業界誌による、豆腐メーカー経営者のインタビュー集。

Bookcover オスマン帝国-繁栄と衰亡の600年史 (中公新書) [a]
小笠原 弘幸 / 中央公論新社 / 2018-12-19

Bookcover 日本の「中国人」社会 (日経プレミアシリーズ) [a]
中島 恵 / 日本経済新聞出版社 / 2018-12-11

Bookcover 俳句の世界 (講談社学術文庫) [a]
小西 甚一 / 講談社 / 1994-12-27
偉い先生に対して失礼だけど、柔らかい文章ってのは古くなるんだなあ、と痛感...

Bookcover ドキュメント 候補者たちの闘争――選挙とカネと政党 [a]
井戸 まさえ / 岩波書店 / 2018-12-14
著者は岩波新書「日本の無国籍者」を書いた人で、経済誌出身のライターの方として名前を憶えていたのだけれど、実は民主党の衆院議員だったのだそうだ(現在は落選中で立憲に所属)。政党の候補者選定に焦点を当てたノンフィクション。個人的体験としてもひどい目にあっている由で、いやあ、政治家って大変だなあ。

読了:「豆腐と生きる2」「オスマン帝国」「日本の『中国人』社会」「ドキュメント 候補者たちの闘争」「俳句の世界」

Bookcover 壁の向こうの住人たち――アメリカの右派を覆う怒りと嘆き [a]
A.R.ホックシールド / 岩波書店 / 2018-10-26
「感情労働」概念で知られる社会学者ホックシールドが、トランプ支持層を取材して書いた本。非常に面白かった。これの大坂維新支持層版とか、どなたか書いて下さらないかしらん。それにしても、こういう研究者がインタビューを通じて定性的解釈(著者のいう「ディープ・ストーリー」)に至る思考のプロセスって、どうなってんだろう...

Bookcover 戦略の世界史(下) 戦争・政治・ビジネス [a]
ローレンス・フリードマン / 日本経済新聞出版社 / 2018-09-26
年末年始に気合入れて読んだ分厚い上下巻本。読んでるときは面白かったけど、どんな内容だったかよく覚えてない...

Bookcover 聖遺物崇敬の心性史 西洋中世の聖性と造形 (講談社学術文庫) [a]
秋山 聰 / 講談社 / 2018-10-12

Bookcover フランス現代史 (岩波新書) [a]
小田中 直樹 / 岩波書店 / 2018-12-21

Bookcover 花の命はノー・フューチャー: DELUXE EDITION (ちくま文庫) [a]
ブレイディみかこ / 筑摩書房 / 2017-06-06

読了:「花の命はノーフューチャー」「戦略の世界史」「壁の向こうの住民たち」「フランス現代史」「聖遺物崇敬の心性史」

2019年1月 4日 (金)

Bookcover 市場の倫理 統治の倫理 (ちくま学芸文庫) [a]
ジェイン ジェイコブズ / 筑摩書房 / 2016-02-09
この秋に読んでいた本。2018年に出会った大当たりの一冊であった。原題は"Systems of Survival: A Dialogue of the Moral Foundations of Commerce and Politics"。「倫理的基盤」といわれるとちょっと引いてしまうけれど、社会の矛盾をふたつの概念的フレームワークの対立という観点から描き出す知的エンターテイメント、という感じの内容。よく考えてみると厳密な議論じゃないような気もするんだけど、面白い本であった。

Bookcover 徹底検証 神社本庁 (ちくま新書) [a]
明, 藤生 / 筑摩書房 / 2018-10-05

Bookcover 海賊の日本史 (講談社現代新書) [a]
山内 譲 / 講談社 / 2018-06-21

Bookcover 異端の時代――正統のかたちを求めて (岩波新書) [a]
森本 あんり / 岩波書店 / 2018-08-22

Bookcover マルクスと批判者群像 (平凡社ライブラリー) [a]
良知 力 / 平凡社 / 2009-02-01

Bookcover 現代社会はどこに向かうか-高原の見晴らしを切り開くこと (岩波新書) [a]
見田 宗介 / 岩波書店 / 2018-06-20

Bookcover ルポ 不法移民とトランプの闘い 1100万人が潜む見えないアメリカ (光文社新書) [a]
田原徳容 / 光文社 / 2018-10-16

読了:「市場の倫理 統治の倫理」「神社本庁」「異端の時代」「マルクスと批判者群像」「現代社会はどこに向かうか」「不法移民とトランプの闘い」「海賊の日本史」

Bookcover FEAR 恐怖の男 トランプ政権の真実 [a]
ボブ・ウッドワード / 日本経済新聞出版社 / 2018-12-01

Bookcover いいビルの世界 東京ハンサムイースト [a]
東京ビルさんぽ / 大福書林 / 2017-10-09

Bookcover 戦略の世界史(上) 戦争・政治・ビジネス [a]
ローレンス・フリードマン / 日本経済新聞出版 / 2018-09-26

Bookcover 運慶のまなざし――宗教彫刻のかたちと霊性 [a]
金子 啓明 / 岩波書店 / 2017-11-08

Bookcover 漂流児童 [a]
石井 光太 / 潮出版社 / 2018-10-05

読了:「いいビルの世界」「運慶のまなざし」「漂流児童」「戦略の世界史」「恐怖の男」

2018年9月17日 (月)

Bookcover 「知識青年」の1968年――中国の辺境と文化大革命 [a]
楊 海英 / 岩波書店 / 2018-07-14

Bookcover 女性従業員が見た「密室の中の愛」 ラブホテル裏物語 (文春文庫) [a]
大月 京子 / 文藝春秋 / 2010-12-03

Bookcover 藤沢周平が描ききれなかった歴史―『義民が駆ける』を読む [a]
青木 美智男 / 柏書房 / 2009-07

Bookcover 八九六四 「天安門事件」は再び起きるか [a]
安田 峰俊 / KADOKAWA / 2018-05-18

Bookcover 緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説「安倍政権が不信任に足る7つの理由」 [a]
解説 上西 充子,解説 田中 信一郎 / 扶桑社 / 2018-08-09

Bookcover インド神話―マハーバーラタの神々 (ちくま学芸文庫) [a]
上村 勝彦 / 筑摩書房 / 2003-01-01

Bookcover ごみ収集という仕事: 清掃車に乗って考えた地方自治 [a]
誠一郎, 藤井 / コモンズ / 2018-06-06

読了:「「知識青年」の1968年」「藤沢周平が描き切れなかった歴史」「八九六四」「ラブホテル裏物語:「インド神話」「枝野幸男、魂の3時間大演説 安倍政権が不信任に足る7つの理由」「ごみ収集という仕事」

Bookcover 権力の「背信」 「森友・加計学園問題」スクープの現場 [a]
朝日新聞取材班 / 朝日新聞出版 / 2018-06-12

Bookcover 男たちの絆、アジア映画 ホモソーシャルな欲望 [a]
/ 平凡社 / 2004-04-20

Bookcover 江戸の本屋さん―近世文化史の側面 (平凡社ライブラリー) [a]
今田 洋三 / 平凡社 / 2009-11-01

Bookcover 文部科学省 - 「三流官庁」の知られざる素顔 (中公新書ラクレ) [a]
寺脇 研 / 中央公論新社 / 2013-11-08

Bookcover 労働者階級の反乱 地べたから見た英国EU離脱 (光文社新書) [a]
ブレイディ みかこ / 光文社 / 2017-10-17

Bookcover 王様でたどるイギリス史 (岩波ジュニア新書) [a]
池上 俊一 / 岩波書店 / 2017-02-22

読了:「王様でたどるイギリス史」「労働者階級の反乱」「権力の「背信」」「男たちの絆、アジア映画」「江戸の本屋さん」「文部科学省」

Bookcover 大坂堂島米市場 江戸幕府vs市場経済 (講談社現代新書) [a]
高槻 泰郎 / 講談社 / 2018-07-19
経済音痴の私にとってさえ、これはとても面白い本であった。

Bookcover 「右翼」の戦後史 (講談社現代新書) [a]
安田 浩一 / 講談社 / 2018-07-19

Bookcover ナポレオン――最後の専制君主,最初の近代政治家 (岩波新書) [a]
杉本 淑彦 / 岩波書店 / 2018-02-21

Bookcover 消費低迷と日本経済 (朝日新書) [a]
小野善康 / 朝日新聞出版 / 2017-11-13

Bookcover テンプル騎士団 (集英社新書) [a]
佐藤 賢一 / 集英社 / 2018-07-13

Bookcover 暴走する能力主義 (ちくま新書) [a]
高康, 中村 / 筑摩書房 / 2018-06-06

Bookcover 私たちはこうして「原発大国」を選んだ - 増補版「核」論 (中公新書ラクレ) [a]
武田 徹 / 中央公論新社 / 2011-05-10

読了:「テンプル騎士団」「暴走する能力主義」「私たちはこうして「原発大国」を選んだ」「消費低迷と日本経済」「大坂堂島米市場 江戸幕府vs市場経済」「「右翼」の戦後史」「ナポレオン」

2018年8月 6日 (月)

Bookcover 松下竜一 その仕事〈15〉砦に拠る [a]
松下 竜一 / 河出書房新社 / 2000-01
最近読んだ本のなかでの、いや、ここ数年に読んだ本のなかでのベスト・ワン。読み終えてからも深い印象を残す、これは大変な本であった。

 大分・熊本の県境、筑後川水系に建設された下筌(しもうけ)ダムの建設をめぐる反対運動、通称「蜂ノ巣城事件」を描いたノンフィクション。
 ダム建設予定地の地主のひとりである室原友幸さんは、村では「大学さん」と呼ばれる孤高の隠棲者、いっちゃなんだが大変に偏屈な老人である。1957年、村の人々がダム反対運動への協力を求めに訪れたとき、この老人は問い返す。「おれがいったん反対に立てば、絶対に途中でやめん。それについてくるだけの覚悟が君たちにあるのか」その言葉の通り、この人は1970年に亡くなるまで、孤独で凄絶な抵抗を続けることになる。
 室原さんは偏屈にして奇矯、お世辞にも住民運動のリーダーとはいう柄ではなく、むしろ最後の封建領主という表現がふさわしい。予定地に築いた壮大な砦「蜂ノ巣城」には村人たちが総出で立てこもるし、後には三池労組をはじめとする革新系組織が反対運動に参加するが、この人は結局のところ、たったひとりで闘っているのである。法律から地質学、電気工学にいたるまでの書籍を座敷に積み上げ、早朝から独学を続ける様子は鬼気迫る。六法全書を片手にみずから提訴を乱発、法廷での争いは十年間で約八十件に及んだという。
 この物語には善人も悪人もいない。九州地方建設局の作業隊は村人たちへの怒りに燃え、砦になだれ込もうとするも中止を命じられ啜り泣く。現場の人望厚い所長は、ダム建設への情熱故に上層部から危険視され更迭される。人々はやがて展望のない闘争から離れ、砦を去って行く。反対運動にとって最大の挫折となった東京地裁の判決後、弁護士はなぜか控訴手続きを怠り敗訴を確定させる(その理由はいまも謎であるという)。その裁判長はのちに室原さんと親交を結ぶことになる。新任の所長もまた、晩年の室原さんとの信頼関係を築き、この老人に「花道」を用意すべく奔走する。様々な人々のドラマが、室原さんという孤高の老人を中心に回転していく。
 国会の参考人喚問の場で、室原さんは九州地方建設局幹部の名刺を振りかざす。住所変更の前につくった名刺を、住所をペンで書き換えて渡すとは、こんな失礼なことがあるか、と激怒するのである。室原さんの怒りは誇り高さゆえの私憤であるともいえる。しかしその怒りはやがて、国家という大きな装置に抗して個人の尊厳を守り抜こうとする、普遍的な闘いへと連なっていく。

 著者の松下竜一さんは、「豆腐屋の四季」で世に出た往年のノンフィクション作家として名前を覚えていたが、これほどの大作家とは知らなかった。
 著者の後書きによれば、俳優の緒形拳がこの作品の映画化を熱望していたらしい。わかるなあ。

読了:「砦に拠る」

2018年5月 3日 (木)

Bookcover 私はガス室の「特殊任務」をしていた (河出文庫) [a]
シュロモ・ヴェネツィア / 河出書房新社 / 2018-04-05

読了:「私はガス室の特殊任務をしていた」

Bookcover 睡眠負債 『ちょっと寝不足』が命を縮める (朝日新書) [a]
NHKスペシャル取材班 / 朝日新聞出版 / 2018-04-13
せっかくNHKの頭のいい人たちがお金をかけて取材して、朝日新聞出版から大部数の本を出すんだから、もうすこしきちんと校閲すればいいのに... 「母数」とか「サンプル数」とか「母集団の偏り」とかさ... まあ細かいことですけど...

Bookcover 内村鑑三 悲しみの使徒 (岩波新書) [a]
若松 英輔 / 岩波書店 / 2018-01-20

Bookcover クリムト 官能の世界へ (角川新書) [a]
平松洋 / KADOKAWA / 2018-01-10

Bookcover 公文書問題 日本の「闇」の核心 (集英社新書) [a]
瀬畑 源 / 集英社 / 2018-02-16

Bookcover 官僚たちのアベノミクス――異形の経済政策はいかに作られたか (岩波新書) [a]
軽部 謙介 / 岩波書店 / 2018-02-21

Bookcover 矢内原忠雄――戦争と知識人の使命 (岩波新書) [a]
赤江 達也 / 岩波書店 / 2017-06-21

読了:「睡眠負債」「内村鑑三」「クリムト」「公文書問題」「官僚たちのアベノミクス」「矢内原忠雄」

Bookcover 千の顔をもつ英雄〔新訳版〕上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) [a]
ジョーゼフ・キャンベル / 早川書房 / 2015-12-18

Bookcover ブッダたちの仏教 (ちくま新書) [a]
孝儀, 並川 / 筑摩書房 / 2017-12-06

Bookcover 労基署は見ている。 日経プレミアシリーズ [a]
原 論 / 日本経済新聞出版社 / 2017-03-09

Bookcover 兼好法師 - 徒然草に記されなかった真実 (中公新書) [a]
小川 剛生 / 中央公論新社 / 2017-11-18

Bookcover 北朝鮮核危機! 全内幕 (朝日新書) [a]
牧野 愛博 / 朝日新聞出版 / 2018-02-13

Bookcover 和本のすすめ――江戸を読み解くために (岩波新書) [a]
中野 三敏 / 岩波書店 / 2011-10-21

読了:「和本のすすめ」「北朝鮮核危機全内幕」「兼好法師」「労基署はみている」「ブッダたちの仏教」「千の顔を持つ英雄」

Bookcover 釜ケ崎と福音――神は貧しく小さくされた者と共に (岩波現代文庫) [a]
本田 哲郎 / 岩波書店 / 2015-02-18
著者はカトリックの神父さんで、釜ヶ崎の支援活動で知られる人。感想は省略するけど、とても興味深く、印象に残る本であった。

Bookcover 剣と清貧のヨーロッパ - 中世の騎士修道会と托鉢修道会 (中公新書) [a]
佐藤 彰一 / 中央公論新社 / 2017-12-20

Bookcover ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か (中公新書) [a]
水島 治郎 / 中央公論新社 / 2016-12-19

Bookcover 大量生産品のデザイン論 経済と文化を分けない思考 (PHP新書) [a]
佐藤 卓 / PHP研究所 / 2017-12-15

Bookcover 朱子学と陽明学 (ちくま学芸文庫) [a]
小島 毅 / 筑摩書房 / 2013-09-10

読了:「剣と清貧のヨーロッパ」「ポピュリズムとはなにか」「大量生産品のデザイン論」「釜ヶ崎と福音」「朱子学と陽明学」

三浦しをん「広辞苑をつくるひと」岩波書店.
 今年発売された広辞苑第七版、ついつい買ってしまった。実のところ、普段はPCにいれた第五版のEPWING版を使っており(とても便利です)、紙を使う用事はあまりないんだけど、ちょっとしたノスタルジーに駆られた次第である。仕方がないので、机の脇に置いてたまに意味もなく眺めている。
 これは予約特典でついてきた文庫判の小冊子。辞書編集部を舞台にした人気作「舟を編む」の作家による、広辞苑の製作に関わった裏方さんたちの取材記である。
 買ってきた広辞苑の紙の函、場所を取るから潰して捨てるつもりだったのに、これを読んだせいでなんだか捨てにくくなってしまい、ちょっと困っている。

Bookcover 図説 和菓子の歴史 (ちくま学芸文庫) [a]
直己, 青木 / 筑摩書房 / 2017-08-07

Bookcover 奇想の図譜 (ちくま学芸文庫) [a]
辻 惟雄 / 筑摩書房 / 2005-04-01

Bookcover ルポ タックスヘイブン 秘密文書が暴く、税逃れのリアル (朝日新書) [a]
朝日新聞ICIJ取材班 / 朝日新聞出版 / 2018-04-13
内容もさることながら、朝日新聞・共同通信・NHKが国際報道プロジェクトに関わるまでのそれぞれの経緯が面白かった。やはり個人的つながりが重要であった模様。
 朝日新聞ではもともと調査報道NPOとの連携を模索していた由。その背後には、調査報道を生き延びさせていくために、いつか特別報道チームを朝日新聞からスピンアウトさせ、NPOとして独立させなければならないような事態が来るのではないか...という問題意識があったのだそうである。へえええ。

読了:「広辞苑をつくるひと」「図説 和菓子の歴史」「奇想の図譜」「ルポ タックスヘイブン」

Bookcover 喜劇としての国際ビジネス: 私が出会った〈一流〉という名の怪優たち [a]
ダニエル・レヴィン / 創元社 / 2017-12-20
帯にD.カーネマンの推薦文が載ってたのでついうっかり買っちゃった本。法律家の体験談というか自慢話というか、まあそういう読み物であった。カーネマン先生ってば、もう。

Bookcover 辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦 [a]
高野 秀行,清水 克行 / 集英社インターナショナル / 2018-04-05

Bookcover 闘いを記憶する百姓たち: 江戸時代の裁判学習帳 (歴史文化ライブラリー) [a]
友広, 八鍬 / 吉川弘文館 / 2017-09-15

Bookcover 習近平帝国の暗号 2035 [a]
中澤 克二 / 日本経済新聞出版社 / 2018-03-09

Bookcover 都市の舞台俳優たち:アーバニズムの下位文化理論の検証に向かって (リベラ・シリーズ11) [a]
田村公人 / ハーベスト社 / 2015-05-28
小劇場演劇に関わる青年たちのエスノグラフィー。都市社会学の研究としての価値はよくわからないんだけど(修辞表現ではなく、本当に判断がつかない)、ノンフィクションとしてとても面白い本であった。

読了:「喜劇としての国際ビジネス」「都市の舞台俳優たち」「習近平帝国の暗号2035」「闘いを記憶する百姓たち」「辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦」

Bookcover 鎌倉幕府の滅亡 (歴史文化ライブラリー) [a]
細川 重男 / 吉川弘文館 / 2011-02-01

Bookcover 例外時代 [a]
マルク・レヴィンソン / みすず書房 / 2017-11-16

Bookcover 和本への招待 日本人と書物の歴史 (角川選書) [a]
橋口 侯之介 / KADOKAWA/角川学芸出版 / 2011-06-25

Bookcover 誰がアパレルを殺すのか [a]
杉原 淳一,染原 睦美 / 日経BP / 2017-05-25
帯にいわゆる"有名ブロガー"の推薦文が載っていて、レジに持っていきかけて「え、俺こういう人が推薦するような本買うの...まじ...」としばし躊躇ったのだが、面白い内容の本であった。

Bookcover 暴君誕生――私たちの民主主義が壊れるまでに起こったことのすべて [a]
マット・タイービ / ダイヤモンド社 / 2017-12-21
毒舌コラムニストの時評集。これは別に読まなくてもよかったな...

読了:「鎌倉幕府の滅亡」「例外時代」「和本への招待」「誰がアパレルを殺すのか」「暴君誕生」

Bookcover ポピュリズムとは何か [a]
ヤン=ヴェルナー・ミュラー / 岩波書店 / 2017-04-19

Bookcover 【2019年ビジネス書大賞 大賞】AI vs. 教科書が読めない子どもたち [a]
紀子, 新井 / 東洋経済新報社 / 2018-02-02

Bookcover 炎と怒り――トランプ政権の内幕 [a]
マイケル ウォルフ,Michael Wolff / 早川書房 / 2018-02-23

Bookcover 軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い [a]
松本 創 / 東洋経済新報社 / 2018-04-06

Bookcover エスカレーション――北朝鮮VS.安保理 四半世紀の攻防 [a]
藤田 直央 / 岩波書店 / 2017-12-21

読了:「炎と怒り」「軌道」「エスカレーション」「AI vs 教科書が読めない子どもたち」「ポピュリズムとは何か」

Bookcover 3億人の中国農民工 食いつめものブルース [a]
山田 泰司 / 日経BP / 2017-11-09

Bookcover はじめての世界音楽―諸民族の伝統音楽からポップスまで [a]
元一, 柘植,健一, 塚田 / 音楽之友社 / 1999-05-01
しばらく前に浜松の楽器博物館に行って、世界の楽器のあまりの多様さに腰を抜かし、帰ってきてから思わず買っちゃった本。大学の教科書みたいだ。

Bookcover 仮想通貨 [a]
岡田 仁志,高橋 郁夫,山﨑 重一郎 / 東洋経済新報社 / 2015-05-29
2015年刊。世の中の動きについていけないという不安に駆られ、ついついこんな本を買っちゃったりして。

Bookcover テヘランからきた男 西田厚聰と東芝壊滅 [a]
博, 児玉 / 小学館 / 2017-11-15

Bookcover 東芝の悲劇 [a]
大鹿 靖明 / 幻冬舎 / 2017-09-21

読了:「食いつめものブルース」「はじめての世界音楽」「仮想通貨 技術・法律・制度」「テヘランから来た男」

相馬黒光「碌山のことなど」. 碌山美術館, 2008。
 休日に新宿三丁目付近を通りかかり、少し時間があったので、カレーの中村屋の上にあるという美術館に立ち寄って(中村つねの作品があると聞き覚えていた)、荻原守衛の裸婦のブロンズ像などをぼけーっと眺めて帰ってきたんだけど、受付前に置いてあった薄い小冊子が妙に面白そうで、つい買ってしまった。安曇野市にある碌山美術館の発行とある(碌山とは荻原守衛のこと)。中村屋創業者夫妻の妻・相馬黒光が、最晩年に荻原について語った追想の聞き書きだという(初出は昭和31年。黒光は30年に亡くなっている)。正直、ちょっと下世話な好奇心もあって。

 萩原の絶作となった上記の裸婦像について黒光はこう述べている。「足が地について立ち上がれないあの姿を見て私は正視してゐられませんでした。あの像の顔をみて山本安曇さん[工芸家、この像の鋳造者]は私に「誰の顔を作ったかわかるぢゃありませんか」と云ひました。去年も展覧会であの像を見まして、この年になっても猶息のつまる思ひをしました」
 荻原は死の病床で、黒光と戸張狐雁(相馬夫妻と荻原の友人、のちに彫刻家・画家となる)にアトリエの机の鍵を渡す。荻原の死後、二人は引き出しから日記を見つけ、読まずに焼却する。「狐雁が男泣きに泣き乍ら一枚一枚むしってはくべ、私を「ヘッダガブラーだ」と罵り乍ら灰にしたのです。狐雁はやさしい人でした」と、ここから黒光に対する萩原の秘めた愛の話になって...

 いやあ、こういっちゃなんだが、大変面白かった。相馬黒光という人は只者ではない。
 それにしても、これは映画になるんじゃないかしら、なんて思ったのだが、いま調べてみたら、2007年に信越放送が「碌山の恋」というTVドラマを制作しており、黒光は水野美紀さんが演じたそうだ。

読了:「碌山のことなど」

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