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2018年10月21日 (日)

Temporano, M., Dufresne, Y, Savoe, J., van der Linden, C. (2019) Crowdsourcing the vote: New horizons in citizen forecasting. International Journal of Forecasting, 35(1), 1-10.
 citizen forecastingによる選挙予測(「誰が勝つと思いますか」と訊いて集計する。「誰に投票しますか」と訊くよりもあたるといわれている)についての最新の論文。著者らはカナダの研究者。
 来年出る論文が先行公開されている模様。こういうのって発表年は2019年なのか...なんか変な感じだ。

 citizen forecastingについての先行研究概観と、カナダの選挙制度の説明があって...
 対象とする選挙は2011年~2017年のカナダの選挙、計10件。えーと、カナダには政治学者が作ったVote Compassというアプリがある由。ボートマッチングみたいなサービスらしい(日本にもありますね)。実に210万人くらいのデータがある。これを使います。
 分析対象はのべ1154の選挙区。対象者は平均1821となる。当然ながら偏りはあって、教育やイデオロギーが偏っていることがわかっている。
 なにを訊いたかというと、自分の選挙区で各政党が勝つ見込みを訊いた。0から11までの数直線上に政党を並べてもらうかたち。ここから、1位政党については2位との差、他の政党については1位との差(負値になる)を求める。これをrelative confidence index(RCI)と呼ぶ。なぜすべて同じ基準で揃えないか(1位政党を0とすりゃいいじゃん)と思うけど、経験的にこっちのほうがいいのだそうである。そうなの?
 
 結果...

 ... 申し訳ないんだけど、だんだん関心が薄れてきちゃったので途中から読み飛ばした。要するに、選挙区レベルの結果をcitizen forecastingでかなり予測できましたという論文であった。
 先行研究概観に全然知らない話が載ってないことが確認できたので、目的は達したということにしよう。

論文:予測市場 - 読了:Temporano, et al. (2019) citizen forecasting による選挙予測 in カナダ

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