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2005年3月17日 (木)

Bookcover オレ様化する子どもたち (中公新書ラクレ) [a]
諏訪 哲二 / 中央公論新社 / 2005-03
現場発信型の社会時評本(当たりはずれが大きいジャンルだ)。子どもはすでに他者となり教育システムは危機に瀕しているが,それは消費社会の到来のせいであって学校のせいではない。でもグローバリズムを批判しても詮無いことなので,教育に共同体性を取り戻し社会化を重視すべきだ,という主旨。
話は筋道立っていて明快だし,豊かな経験の裏打ちもあり,言葉遣いはちょっと独特だけど,その意見は傾聴に値する,ところがいったん他人と議論する段になると,なぜか全く話がかみ合わず,周囲を途方に暮れさせる。時々そういうタイプの人がいるものだが,この本もその一種であった。前半はまあ筋が通っているのだが,後半の知識人批判になると,アクロバティックなまでに論点をことごとく外しまくる,その様子はほとんど芸術的でさえある。

心理・教育 - 読了:03/16

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