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2005年6月24日 (金)

Fidler, F., Thomason, N., Cumming, G., Finch, S., Leeman, J. (2004). Editors can lead researchers to confidence intervals, but can't make them think. Psychological Science, 15(2), 119-126.
 かつてKenneth Rothmanという疫学の有名な先生が,American J. Public Healthという雑誌の副エディターになったとき,担当した投稿論文すべてに対して「仮説検定についての記述を削るか,さもなくば他の雑誌に出せ」と命じた。そこで掲載論文を調べてみると,たしかにその4年間はp値の使用が激減しているが,Rothmanが辞めるとすぐに元に戻っている。いっぽう信頼区間の掲載はこの時期から定着しているものの,結果の考察には用いられていない節がある。心理学に対する教訓:「検定よりも信頼区間を使いましょう」という決まり文句に安住するのはもうやめて,どうすればみんなが信頼区間を使うようになるのかを考えるべきだ ---という内容。
 うんうんそうだよねえ,と楽しく読んだ。解析手法方面に強い人(嫌な言い方をすれば,統計マニアの人)は,仮説検定論の問題点を好んで主張するけど,特に代替案があるわけではなかったりすることも多くて,単に批判が好きなだけと違うか?というような感じを受けることがままある。まあどうでもいいけど。
 Loftus(旦那のほう)は,Memory&Cognitionのエディターになったとき,信頼区間を書いてくれと投稿者に頼んでも埒があかないので,自分でいちいち計算してやったそうだ。ははは。
 こういうメタレベルな研究は読んでいてとても楽しい。きっと性にあうのだろう。

 この論文の後で,信頼区間は検定のかわりにならないというコメントも載ったようだ。CIは群内の分布を記述するためには便利だが,群間の差について推論するなら効果量のほうが便利だ,という趣旨らしい。ふうん。

論文:データ解析(-2014) - 読了:06/24

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