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2009年4月22日 (水)

Hayduk, L.A., Glaser, D.N.(2000) Jiving the four-step, waltzing around factor analysis, and other serious fun. Strucural Equation Modeling. 7(1), 1-35.
 SEMNETメーリングリストでの議論を基にした論文。長い長い論文だったが,書き方がカジュアルというか冗長なので,読むのは案外ラクだった。
 題名にあるfour-stepというのは,あるSEMのモデルをつくるとき,(1)EFAモデル, (2)CFAモデル, (3)SEMモデルの順に制約をかけながら進んでいくやり方のこと。CFAモデルの適合度が低かったら測定部分の問題,SEMモデルの適合度が低かったら構造部分の問題,つまりこのやり方なら測定と構造を分離して検証できることになる。この考え方を著者らは徹底的に批判するが,その最大のポイントは,因子数が正しいかどうかは誰にもわからない,という点。
 four-stepはいわれているほど正しくないよ,という論文であって,four-stepよりも良い方法があるよという論文ではなかった。それはいいとしても,いったんfour-step擁護者の主張をすごく拡大解釈しておいて,やおらそれを叩くというあたりが,なんだか筋の悪い議論に思えて仕方がない。適合度指標だけで正しい因子数を求めることが出来ると思っている人が,ほんとにいるんだろうか?

論文:データ解析(-2014) - 読了:04/22まで (A)

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