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2009年10月21日 (水)

Bookcover 寺よ、変われ (岩波新書) [a]
高橋 卓志 / 岩波書店 / 2009-05-20
著者は松本にある臨済宗神宮寺というお寺の住職さん。文化イベント開催や途上国支援NPO,決算書の公開などの先鋭的な活動で知られている人らしい。
 とても面白い本だった。これからのコミュニティのなかでお寺が果たすべき役割とは,云々という議論は他にもありそうだが,それらを次々と実行に移すところが只事ではない。実践の人ならではの凄みがあって,たとえば宗教者がホスピスに関わることには否定的だったり(痛みの緩和治療のほうが重要だから),戒名料についてはいまだ矛盾を抱えていると告白していたりする。
 お寺について何ら関心が無い俺にとっても,読むだけでちょっと元気が出るような本だったのだけれど,では著者が熱く語るように,お寺がコミュニティとともに再生しうるのかどうかというと,それはちょっと。。。この本の何割かは,伝統仏教がいかに危機的な状況にあるのかという説明に割かれているのだが,誰かがわざわざ危機を訴えないといけないような状況では,そうそう変革など起こらないのではないか。本のなかで,「葬儀がどんどん葬儀社主導になりお寺の役割が小さくなっても,これから団塊世代がいっぱい死ぬから当面は大丈夫」という意味のことを言い著者を絶望させるお坊さんが出てきたけど,この意見は的を得ていると思った。シェアが落ちてもセールスが落ちていない会社は,なかなか自己変革できないんじゃないですかね。
 そもそも,コミュニティの再生のためにお寺が必要なのか,という疑問もある。この本では,日本人にとってお寺は重要であるはずだ,という点が自明視されているのだけれど,これはお坊さんだからそう思うのであって。。。申し訳ないけど,できれば地域社会の将来像はお寺抜きで考えたいものだ。みんなが仏教徒ってわけじゃないんだから。

Bookcover ヒトラー 権力の本質 [a]
イアン カーショー / 白水社 / 1999-01
ずっと前にほとんど読み終えていた本。片づけようと思って手に取ったが,どこまで読んでたのかわからなくなって,結局最初から全部読み通した。

ノンフィクション(-2010) - 読了:10/20まで (NF)