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2009年12月21日 (月)

Bookcover テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX) [a]
ヤマザキマリ / エンターブレイン / 2009-11-26
マンガとてビジネスであるから,想像するに,きっと連載がはじまる前には企画会議があって,担当者がペーパーを片手にコンセプトを説明するのであろう。「ピアノ科の型破りな女の子と,指揮者志望の秀才型の青年を軸にした音大青春ストーリーです」「よし,連載決定だ」とか。どんな突拍子のない筋立てでも,その魅力をうまく一言で表現できなければならないはずだ。「性役割が入れ替わった架空の江戸時代を舞台に,大奥の男たちの愛と哀しみを描いた大河ストーリーです」「よし,連載決定だ」とか。
 このマンガの場合も,誰かがそのような企画書を書いたのかしらん? ええと,「入浴のたびに現代日本の風呂にタイムスリップしてしまう古代ローマの設計技師が活躍する,風呂を主題にしたマンガです」ということになるだろうか。なんのことだかさっぱりわからない。よくもこんなマンガが生まれたものだ。
 一話一話のフォーマットは以下の通り。(1)ハドリアヌス帝の治世下で繁栄を謳歌するローマ。意欲溢れる若い設計技師ルシウスが,なんらかの風呂に関わる難題に直面する。(2)彼は風呂に入る。(3)彼は現代日本にタイムスリップし,異文化の想像だにしない文物に驚愕する(例, 銭湯の脱衣場のフルーツ牛乳)。(4)ローマに帰還した彼は無事課題を解決する。
 というわけで,全編風呂,風呂,風呂を題材にしたマンガである。率直にいって,少なくとも過去一年,このように想像を絶するマンガを手に取ったことはなかった。可笑しくて涙を拭きながら読了。

Bookcover 熱病加速装置 [a]
元町 夏央 / 小学館 / 2009-11-30
著者は青年誌系の若いマンガ家。デビュー作は講談社「アフタヌーン」に載ったもので,雑誌で読んだとき,黒田硫黄の亜流だと思ったのを覚えている。この単行本は,デビュー作を含め短編4本を収録。作者が急激に成長していくのがよくわかる。若いっておそろしい。

Bookcover 幻想綺帖 二 玉藻の前 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス) [a]
波津 彬子 / 朝日新聞出版 / 2009-11-06
岡本綺堂「玉藻の前」のマンガ化。岡本綺堂といえば半七捕物帖かと思っていたが,こんな伝奇小説も書いていたのか。

Bookcover 団地ともお 15 (ビッグコミックス) [a]
小田 扉 / 小学館 / 2009-11-30

コミックス(-2010) - 読了:12/20まで (C)

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