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2010年10月12日 (火)

Bookcover 桜田門外ノ変〈上〉 (新潮文庫) [a]
吉村 昭 / 新潮社 / 1995-03-29
Bookcover 桜田門外ノ変〈下〉 (新潮文庫) [a]
吉村 昭 / 新潮社 / 1995-03-29
外資系企業勤務にして英語がろくに喋れない俺は,かえって外国と縁なき日々を送ることができると踏んでいたのだが(少なくとも海外転勤は命じられずに済むはずだ),そんな俺にもまさかの海外出張が。特になにをしたわけでもないんだけど,通じない英語のせいでもう心底疲弊してしまった。ああ英語のない世界に行きたい,と繰り返し嘆いていても詮無いことなので,せいぜい気晴らしのために,日常生活と一切関係なさそうな本を買ってきた次第。
 ひこにゃんの地元のお殿様・井伊直弼の暗殺を企てる水戸藩士たちの話。後半1/3は,超一級のお尋ね者となった首謀者がひたすら逃げまわる,というあまり意気のあがらない展開である。
 俺は吉村昭の熱心な読者ではないけれど,この人の歴史小説は感傷を排除し,ひたすら出来事の記述だけを淡々と続けていくようにみえて,一瞬だけ激しい感情が暴発する。。。ような気がする。この本でいうと,首謀者の愛人であるなにも事情を知らない女性が虐殺される場面とか,首謀者を最終的に裏切った男が泣きながら歩み去っていく場面とか。

フィクション - 読了:「桜田門外の変」