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2011年6月24日 (金)

Bookcover Amazonランキングの謎を解く: 確率的な順位付けが教える売上の構造 (DOJIN選書) [a]
服部 哲弥 / 化学同人 / 2011-05-30
著者は数学者で,amazon.co.jpの売上ランキングがどのように決まっているかに関心を持つのだが,データを広く集めたりamazonに取材したりする気はさらさらない。なんと,著者は(1)アマゾンはこうやってランキングを決めているにちがいない(1冊でも売れたらそれを1位にジャンプさせているにちがいない)という一見素っ頓狂な仮説を設け,(2)この仮説に基づいて数理モデルをつくり,(3)このモデルに基づいて「アマゾンはロングテールビジネスではない」と主張するのである。
 これはなかなかの奇書だなあ... と,ところどころでケタケタ笑いながら読み進めていたのだが,途中ではた,と気がついた。著者の先生は大真面目なのだ。だってこれ,自然科学の方法論としては当然のことだ。この大自然をどうやってつくったんですか,と神様に聞くわけにもいかないし。
 というわけで,途中から心を入れ替えて真剣に読んだのだが,残念ながら数学音痴の俺には,6章の専門的な議論はもはやちんぷんかんぷんだった。でも,まあ,少し頭が良くなったような気がするので,よしとしよう。
 それにしても,先生はなかなか人を食ったことを仰る方で... ポワソン分布について説明するくだりで,本筋から脱線して交通事故の分析の話を紹介しはじめるのだが,先生いわく,「ポワッソン分布を重視する理由となる『小さな確率の原因が多数ある』という視点が,社会現象の分析のどこに隠れているかについての例題という建前だが,誰もが関心を持ちそうな話題で読書欲を維持する目的が本音である」 いや!先生!そこまでセキララに書かなくてもいいから!

データ解析 - 読了:「Amazonランキングの謎を解く」