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2011年12月10日 (土)

Chib, S., Seetharaman, P.B., Strijnev, A. (2002) Analysis of multi-category purchase incidence decisions using IRI market basket data. "Econometric Models in Marketing," volume 16, pp.55-90. Elsevier Science.
 延々と探しつづけた末,もはやタイムリミットかというときになってようやく巡り会った,求めていた通りの論文。アブストラクトを読んで,ほんのちょっと目頭が熱くなりました。あああ,長かったあああ。
 いや,まあ,探し方が悪かったんですけどね。というか,自分がなにを探しているのか,自分でよくわからなかったのである。門外漢の辛いところだ。

 カテゴリ間に補完性と代替性があるにちがいないがどこにあるのかはわからない,という複数カテゴリの購買パネルデータを用い,データマイニング的な手法を使わず,カテゴリ間の補完性・代替性と効用の消費者間異質性を一発推定する,という論文。各カテゴリの購買有無を従属変数,マーケティング変数を独立変数にとった多変量プロビットモデルをつくり,従属変数の共分散を総当たりで推定し,しかも効用はカテゴリx世帯ごとにランダム。そんなモデル,まともに同定できるわけがないが,そこでMCMCの登場である。
 補完性・代替性を無視したり異質性を無視したりすると,マーケティング変数のパラメータ推定が歪み,間違ったビジネス決定を招きます,というわけで,IRIからもらってきた同一のスキャンパネルデータに,このモデルともっとシンプルなモデルを当てはめ,いかに推定結果が異なるかを示している。御説ごもっともだが,シニカルにいえば,著者らお勧めの完全なモデルの適用例だって,元のデータに含まれている25カテゴリから12カテゴリを選んで分析しているんであって,その段階で大事な補完性・代替性が失われているかもしれないわけである。結局の所,なにが正解かなんて誰にもわかんないですよね。。。などとぶつぶつ呟きながら読んでいたのだが,それはそれとして,とにかく大変勉強になった。
 MCMCの技術的な説明のところ,残念ながら私には難しすぎる。理屈はいいから,誰かコード例を見せてくれないかしらん。。。

論文:マーケティング - 読了:Chib, Seetharaman, & Strijney (2002) 複数カテゴリ購買の多変量プロビットモデル