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2011年12月19日 (月)

基本的にはヒマ・ライフを謳歌しているように思うのだが,先週は「年に一度」級の忙しさで,なにかをきちんと読むどころの騒ぎではなかった。これは飯のついでに目を通した論文。

Bennett, C.M., Baird, A.A., Miller, M.B., Wolford, G.L. (2010) Neural correlates of interspecies perspective taking in the post-mortem Atlantic Salmon: An Argument For Proper Multiple Comparisons Correction. Journal of Serendipitous and unexpected results, 1(1), 1-5.
 鮭の死体をfMRIに入れて社会的視点取得課題を与えたら、なんと脳のある部位が活性化しました、とのこと。ははは。もちろんこれはプラクティカル・ジョークで、ちゃんと多重比較法を使って検定しないと変な結果が出ますよ、という主旨である。
 twitterである方が呟いていたのを見て知った論文。掲載誌はこれから創刊するオープンアクセス誌だそうで、どこまで本気なのかよくわからない。
 正しい分析方法として、ボンフェローニ法のようなfamily-wise error rate調整とあわせて、false discovery rate (FDR)調整も紹介されていた。fMRIのソフトにはFDRの機能が入っているのもあるんだそうだ。FDRって統計学の本でしか読んだことがなかったのだが、実際に使われているんだなあ。以前から一度使ってみたいと思っているのだが、まだ機会がない。
 そういえば先日、知人に「市場調査であんまり多重比較法使わないのはなぜだろうね?」と尋ねられ、仮にそうだとしたらそれにはいろいろと理由はあるんだろうけど、検定力の低下もそのひとつかもなあ、と思った。FDRには一定のニーズがあるかもしれないと思う。
 それにしても、なぜ鮭だったのかしらん。鮭鍋パーティでも開いたのだろうか。

論文:データ解析(-2014) - 読了:Bennett, et al. (2010) 死んでるシャケの脳活動

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