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2017年9月28日 (木)

Finley, A.O, Banerjee, S., Gelfand, A. (2015) spBayes for large univariate and multivariate point-referenced spatio-temporal data models. Journal of Statistical Software, 63(13).
 Rのベイジアン空間統計パッケージ spBayes の紹介。仕事の都合で大急ぎで読んだ。

 spBayesパッケージが扱うベイジアン・ガウシアン空間回帰モデルは、一般化して書くと、以下の階層線形混合モデルである。
 $p(\mathbf{\theta})$
 $\times N(\mathbf{\beta} | \mathbf{\mu}_\beta, \mathbf{\Sigma}_\beta)$
 $\times N(\mathbf{\alpha} | \mathbf{0}, \mathbf{K}(\mathbf{\theta}))$
 $\times N(\mathbf{y} | \mathbf{X\beta} + \mathbf{Z}(\mathbf{\theta}) \mathbf{\alpha}, \mathbf{D}(\mathbf{\theta}))$
 まず4つめからいこう。$\mathbf{y}$は$n \times 1$の観察ベクトル。$\mathbf{X}$はサイズ$n \times p$の既知の共変量で、$\mathbf{\beta}$は$p \times 1$の傾きベクトル。$\mathbf{Z}$は$n \times r$の行列で、$\mathbf{\alpha}$は$r \times 1$の正規ランダムベクトル。$\mathbf{D}$は$n \times n$の共分散行列。
 2つめと3つめは、それぞれ$\mathbf{\beta}, \mathbf{\alpha}$の事前分布を表している。
 で、観察ノイズの共分散行列$\mathbf{D}$, $\alpha$にかける係数$\mathbf{Z}$、潜在変数の共分散行列$\mathbf{K}$、の3つは、未知のプロセス・パラメータ$\theta$の関数となっている。その事前分布が1つめ。

 プロセス・パラメータ$\mathbf{\theta}$をどうやってサンプリングするかというと...[パス]
 傾き$\mathbf{\beta}$とランダム効果$\mathbf{\alpha}$をどうやってサンプリングするかというと...[パス]
 低ランクモデル、つまり$r$が$n$よりも全然小さいときはどうするかというと...[パス]
 予測はどうするかというと...[パス]
 
 具体的なモデリングの話をしましょう。
 その1、フルランク単変量ガウシアン空間回帰。
 位置を$\mathbf{s}$として、
 $y (\mathbf{s}) = \mathbf{x} (\mathbf{s})^T \mathbf{\beta} + w(\mathbf{s}) + \epsilon(\mathbf{s})$
 3つめはホワイトノイズで、位置と無関係にiidに$N(0, \tau^2)$に従う。ここで$\tau^2$をナゲットと申します。[←バリオグラムの特徴についての特有の言い回し。これ、きっと鉱業の方面に由来しているんだろうなあ]
 2つめの$w(\mathbf{s})$がガウシアン空間過程を表す。その共分散関数を$C(s,t)$として、定常性$C(s,t) = C(s-t)$と等方性$C(s,t) = C(||s-t||)$を仮定し、さらに
 $C(s,t) = \sigma^2 \rho(s, t; \phi)$
とする。相関関数$\rho(s, t; \phi)$について、spBayesパッケージは指数関数、Matern関数などをご用意しておりますです。
 最初の一般化した式と比べると、$\alpha$は$w(\mathbf{s})$。係数$\mathbf{Z}(\mathbf{\theta})$は単位行列。$\mathbf{K}(\mathbf{\theta})$は共分散関数$C(s,t)$。$\mathbf{D}(\mathbf{\theta})$は単位行列にナゲットを掛けた奴。つまり、ここでの$\mathbf{\theta}$は、ナゲット$\tau^2$、分散$\sigma^2$、そして相関関数のなんらかのパラメータ$\mathbf{\phi}$なわけです。
 分析例。spLM関数を使って...[メモ省略]

 その2、低ランク予測過程モデル。[ちゃんと読んでないけど、低ランクモデルの一種としてpredictive process modelというのがあるらしい。$r$個の位置をあらかじめ決め打ちしちゃうのかな?よくわからんけどパス]

 こんどは多変量の場合... [パス]
 非ガウスの場合として、二値のロジット回帰ないしプロビット回帰、カウントのプロビット回帰、をご用意しております...
 最後に、動的時空間モデルについて... [パス]

 ...というわけで、ほとんど読んでないけど、なにができそうかがなんとなく分かったので読了ということにしておこう。だんだん飽きてきたし。[←ひどいなあ]

論文:データ解析(2015-) - 読了:Finley, Banerjee, Gelfand (2015) RのspBayesパッケージ