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2005年3月21日 (月)
学力低下論争 (ちくま新書)
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市川 伸一 / 筑摩書房 / 2002-08
この3日間の朝の電車で読了(なんだか再読のような気がするんだけどなあ)。
2000年前後の学力低下論争の総括。前半は主要論者の位置づけと論争の要約。後半は著者の主張の紹介。学習の意義は可能自己の拡大にある,総合学習と教科学習の連携が大事だ,云々。
社会階層をめぐる論点は薄い,というかほとんど他人事だ。社会からの学習圧力が高くなれば格差は縮小する,というのはまあそうかもしれないが,階層の固定化は解消しないんじゃないですかね。
研究者としては尊敬してるけど,文教政策決定への関与という点ではちょっと御用学者っぽいなあという印象があった。著者自身もそのことに触れていきさつを説明しており,わかりやすくて正直なところがありがたいが,教育政策と社会思想との関連づけが欠けているところに,心理学畑固有の限界があるのではないかと思う。なあんてね,ははは。
それにしても,教育本にはいいかげんに飽きてきたぞ。。。
心理・教育 - 読了:03/21 (P)