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2005年5月18日 (水)
Moon, S.M., Illingworth, A.J. (2005) Exploring the dynamic nature of procrastination: A latent growth curve analysis of academic procrastination. Personality and Individual Differences, 38, 297-309.
いわゆるギリギリ・ボーイズ&ガールズについての研究。締め切りまでの課題遂行の推移は双曲線みたいになりました、曲線の形には個人差はありませんでした。つまり特性論的アプローチは怪しいです。云々。
どこか忘れたが,ネットで拾った論文。そもそも、こんな問題が研究されているということ自体が新鮮で面白かったんだけど(procrastinationってなんて訳すんだろう?)、課題状況が人工的に過ぎるような気がした。まあどうでもいいけどさ。
縦断データ分析の手法としては、(1)潜在成長モデルをいくつかつくってあてはまりを比較したら二次式の勝ち、(2)曲線の一次と二次の係数(SEMでいえばこれが潜在変数)のばらつきが小さいから曲線の形には個人差がない、という理屈。ほかにも外生変数をいれたりしてるけど、パス図がないのでわかりにくい。ちょっとしょぼい感じの論文であった。
どうも腑に落ちないんだけど,潜在曲線の係数の分散が小さかったら,曲線の形状の個人差が小さいことになるのか? SEMの枠組みでいえば,「因子分析をやったらある因子の得点の分散が小さかったです,だからその特性の個人差は小さいです」という主張をしているようなもんなんじゃないか,と妙な気分なのだが,潜在成長モデルでは潜在変数から伸びるパス係数が定数になってるから、普通のSEMとは事情が違うのかも知らん。うーんよくわからん。大学ならまわりの人に相談できるんだけどな。
論文:データ解析(-2014) - 読了:05/18