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2005年9月20日 (火)
半落ち (講談社文庫)
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横山 秀夫 / 講談社 / 2005-09-15
数年前のベストセラー。さすがに読ませる。この本から学ぶところは多かった。(1)出てくる人出てくる人,みんなしがらみと思い入れと諸事情に包囲され,実に大変そうだ。世の中の大半の人は俺と同じく,実にどうでも良いだらだらとした日常を送っているはずだと思っていたのだが,ほんとにそうなのだろうか,もしや俺以外の人はみんな「半落ち」や「プロジェクトX」のような忍耐と苦汁と決断の日々を送ってるのではないか,と不安になった。(2)日本のベストセラーたるもの,落ちは小さめの心温まる人情話でなければならないということを痛感した。満員電車のつり革にしがみついて本を読むようになって改めて得心したのだが,わざわざ後味の悪い小説を読もうというのは,よほど奇特な人なのだ。
赤毛のストレーガ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 189-2))
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アンドリュー・ヴァクス / 早川書房 / 1995-01
暗黒街に潜むアウトロー探偵バークは実に用心深い。アパートの鍵は一回逆向きに回してから開けないと爆発するし,飼い犬への合図は暗号化されている。暴力担当の相棒マックス(「パトリック&アンジー」シリーズにおけるブッパの役回りですね)はモンゴル人の聾唖者で,一瞬で音もなく人を殺す。こういうのをリアリティと呼ぶのはどうだろうか。一種の冗談として受け取るべきではないかという気がして仕方がない。
東京奇譚集
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村上 春樹 / 新潮社 / 2005-09-15
短編集。本屋に並んだ日,会社の帰りに買って,電車で読み終えた。「品川猿」が群を抜いて良いと思った。
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