elsur.jpn.org >

« 読了:11/10まで (C) | メイン | 読了:11/11まで (F) »

2005年11月10日 (木)

Bookcover 国語教科書の思想 (ちくま新書) [a]
石原 千秋 / 筑摩書房 / 2005-10-04
小中学校の国語教科書に隠されたイデオロギーを暴き出す,という本。
雑な内容でがっくり。途中で投げ出すのも気持ち悪いので,心の中で突っ込みを入れながら読んでたら,大変疲れた。せっかくなので記録しておこう。

その分野では立派な学者だろうに,なんでこんな本を書いちゃったのだろうか。想像するに,かつて国語の中学入試問題を集めて分析したら面白い本が書けたし評判にもなった(入試問題のテーマは「自然に帰ろう」と「他者と出会おう」の二種類しかないんだそうだ。ふうん。そっちの本を読めばよかった)。そこで今度は国語教科書を集めて読んでみたんだけど,こっちは残念ながら,いまいちクリアな分析ができなかった。でもほら私って本業だけじゃなくて教育にも一家言あるヒトだから,PISAの話なんか織り交ぜて,これからの教育について論じちゃったりなんかしたら十分一冊になるわ。といういきさつだったのではないかと思う。うーん,それは正しい戦略だ。論理的でない議論も,証拠のない断言も,実現可能性のない提案も,教育問題ならば許される。たまに変な暇人がいて,丁寧に読んだ末に自分のブログでぐちぐちと文句を言ったりすることもあるが,そんな社会の屑は放っておけばよいのだ。

心理・教育 - 読了:11/10まで (P)

rebuilt: 2020年11月16日 23:07
validate this page