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2006年3月19日 (日)

Bookcover 鏡川 (新潮文庫) [a]
安岡 章太郎 / 新潮社 / 2004-04-24
四冊目。あまり集中して読んでなかったせいで,うまく入り込めないまま終わってしまった。平成12年の作品。
Bookcover プールサイド小景・静物 (新潮文庫) [a]
庄野 潤三 / 新潮社 / 1965-03-01
五冊目。昭和35年までに発表された短編。
 「静物」を読んでようやくわかったのだけれど,この人の小説は気味が悪い。
 「夕べの雲」からもごくかすかな気持ち悪さを感じたのだが,それは物語に対する書き手の時間的・空間的な立場がわからないからで,俺が日本の私小説の仕組みに慣れていないためだろう,などと考えた。しかしここではもはや,全編を不吉さが色濃く覆っている。どこがどう不吉とはいえないが,無害で穏やかな家族の生活が描かれているにも関わらず,なんでもない些末な事柄が強い死の匂いを発しているような気がする。いつか金魚鉢は割れて金魚は死に,子どもは釣り堀でおぼれ死に,全員が悲惨な死を遂げるのではないか,という不安が消えない。うーん,俺がどうかしているのだろうか? うまく言葉に出来ないのがもどかしい。
Bookcover 須賀敦子全集〈第4巻〉遠い朝の本たち、本に読まれて、書評・映画評ほか [a]
須賀 敦子 / 河出書房新社 / 2000-07-10

フィクション - 読了:03/19まで (F)

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