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2006年6月18日 (日)
黒田悪党たちの中世史 (NHKブックス)
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新井 孝重 / NHK出版 / 2005-07-30
なぜか買ってしまった本。ぱらぱらとめくっただけだが,なかなか興味深い箇所もあった。日本史の知識があればもっと面白かっただろう。
社会学入門―人間と社会の未来 (岩波新書)
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見田 宗介 / 岩波書店 / 2006-04-20
超えらい先生だけに許される,雲をつかむようなエッセイ。それはそれで面白かったけど,それは俺が門外漢だからであって,専門知としての社会学に通じている人であればあるほど,ちょっと引き気味になっちゃうんじゃないかと思う。
大学院に入り立ての頃,若手の社会心理学者として売り出し中の先輩が,後輩の院生を馬鹿にして,あいつは研究者って柄じゃない,「なにしろ見田宗介も知らねえんだよ」,と呆れて見せたのを思い出す。その人が時折みせる,そういうペダンチックなところが俺は好きだったけれども,しかし今にして思うに,見田宗介を読んでいなくても社会心理学者にはなれるだろう。研究者は自分の研究だけうまくやってれば良いのであって,広範な教養に支えられた深い学識など,ただの幻影に過ぎない。たぶんずっと昔からそうだったのだ。
その先輩はいまや高名な研究者であり,後輩の院生のほうも,大学に安定した職を得て幸せな家庭を築いている。俺はといえば,この年で転職を繰り返したあげく,慣れない単純作業に埋もれる日々である。長い長い夢を見ているような気分だ。
ノンフィクション(-2010) - 読了:06/18まで (NF)