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2007年4月20日 (金)
自省録 (岩波文庫)
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マルクスアウレーリウス / 岩波書店 / 2007-02-16
古代ローマの皇帝が,自分に向けて書いた覚え書き。
そもそも言葉の意味さえよくわからない部分があるので(指導理性ってなによ?),内容をよく理解したとはいえないのだが,それでも時折,はっとさせられるような断章がある。時代も文化も立場もこれほどまでにかけ離れた人なのに,なにか胸打たれるものを感じるのだから,全く不思議なものだ。
「健全な眼は,なんでも見える物を見るべきであって,『私は緑色のものが見たい』などというべきではない。これは眼を病む者のいうことだ。同様に健全な聴覚と嗅覚は,聴きうべき,また嗅ぎうべきあらゆるものにたいして用意がなくてはならない。[...] さらにまた健全な精神もあらゆる出来事にたいして用意がなくてはならない。ところが『私の子供たちが助かりますように』とか『私がなにをしようとも皆の者に賞賛されますように』などという精神は緑色のものを要求する眼であり,柔らかいものを要求する歯である。」
ノンフィクション(-2010) - 読了:04/20まで (NF)