« 読了:05/27まで (M) | メイン | 読了:06/03まで (C) »
2007年5月27日 (日)
あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実
[a]
ピエトラ リボリ / 東洋経済新報社 / 2006-12
アメリカの経済学者が書いた,グローバリゼーションについての啓蒙書。一枚のTシャツを手がかりに,テキサスの農家,中国の工場,そしてアフリカの古着業者に至るまでを辿り,市場がいかに非-市場的か,経済がいかに政治と切り離せないかを描いていく。大変面白い内容で,思わず膝を打つ箇所が多かった。
なんであれ社会現象の実態を詳細にみていくと,なにが善でなにが悪なのか,次第にはっきりしなくなるものらしい。著者はタンザニアの古着市場について,ここには真の自由市場がある,実に爽快だ,という(めずらしく価値判断を含んだ)書き方をしているけれども,かの国の人々にだって「アメリカ人の古着を着るなんて民族の恥だ」という感覚があるわけで,いまはそれが経済を動かすファクターとなりえないとしても,先々のことはわからないと思う。うーん。
同盟変貌―日米一体化の光と影
[a]
春原 剛 / 日本経済新聞出版社 / 2007-05
ノンフィクション(-2010) - 読了:05/27まで (NF)