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2007年12月22日 (土)
エニグマ奇襲指令 (ハヤカワ文庫 NV 234)
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マイケル・バー・ゾウハー / 早川書房 / 1980-09
帯で丸谷才一が褒めていたので,つい買ってしまった。77年のスパイ冒険小説。ナチスのV2ロケット完成に危機感を抱いた英情報部は,変装の達人である伝説的大泥棒を獄から放ちパリに潜入させ,独軍のエニグマ暗号機を盗み出させようとするが...その敵役の独軍将校は文化を愛する好漢で,復讐のため陰謀に身を投じたユダヤ人美女への愛に苦悩し...とかなんとかそういう感じ。最後にアッと驚けといわんばかりのどんでん返しがあるところも含め,なんというか,クラシカルな娯楽小説であった。
こういう小説は,小金持ちが居心地のよい居間のソファーでブランデーグラス片手に読むと似合うんじゃないかと思う。貧乏人が人混みに揉まれながら吊革にぶら下がって読む本ではないね。だんだん馬鹿馬鹿しくなってくる。
フィクション - 読了:11/22まで (F)