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2008年1月29日 (火)
真相―イラク報道とBBC
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グレッグ ダイク / 日本放送出版協会 / 2006-06
イラク戦争の時にブレア政権の圧力で辞職したBBC会長の手記。買ったまま積んであったのをこのたび発見。辞職に至るまでの内幕を暴露した本だと思っていたのだが(だってそういう邦題だし),それは全体の1/4くらいで,むしろ異色の放送人の自伝とでも呼ぶべき本であった。自伝であるからして,おおよその内容は自画自賛なのだが,シニカルなユーモアのおかげで面白く読み終えた。著者はもう大変な自信家で,嫌いな人をこき下ろしはじめたら容赦がない。きっと味方も敵も大変多い人にちがいない。こんな人がよくBBCの会長なんかになったねえ。
日本の事情と比較しても仕方がないんだけど,無理矢理あてはめるならば,元敏腕プロデューサーが経営側に転身,民放の社長を経てNHK会長となるが,報道の独立性をめぐる政府・自民党との争いに敗れて辞職,しかしその日は全国のNHK職員が放送局の前で反対デモをやった,というような話である。すごいなあ。
ノンフィクション(-2010) - 読了:01/29 (NF)