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2008年6月29日 (日)
甘粕正彦 乱心の曠野
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佐野 眞一 / 新潮社 / 2008-05
文革の頃に日中共産党の関係が悪化し,日本の共産党から親中派の活動家たちが離脱したが,そのなかでいまでも活動を続けている党派のひとつが,下関にある日共左派である。反米愛国調の見出しが踊る新聞を出していて,もう亡くなっている党指導者がいまだ編集主幹ということになっていて,たしか劇団もやっていて,雰囲気がなんだかカルト的だと揶揄する文章を読んだ覚えがあるが,なにしろ遠く山口県の話だからよく知らない。
かの甘粕大尉について書いたこの本を読んでいたら,突然その話が出てきてびっくりした。甘粕は満映で左翼からの転向者を多く配下に置いたが,その一人に三村亮一という非合法共産党の活動家がおり,この人が満州で結婚したのが檀一雄の妹の檀寿美さんという方(ってことは女優の檀ふみの叔母さんですね)。1917年生まれのこの方は現在,下関の長周新聞社(つまり,日共左派の機関紙)で「住み込みのスタッフとしてイラストなどの仕事をしている」のだそうで,檀一族の間では「毛沢東おばさん」と呼ばれているのだそうである。へえーー。
広田弘毅―「悲劇の宰相」の実像 (中公新書)
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服部 龍二 / 中央公論新社 / 2008-06
日本近現代史 - 読了:06/29まで (CH)