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2009年8月 1日 (土)
ソクラテスの弁明ほか (中公クラシックス (W14))
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プラトン / 中央公論新社 / 2002-01
「弁明」「クリトン」「ゴルギアス」所収。前二編は角川文庫版で読んだような気がするが(たしか学部生の頃に),「ゴルギアス」は今回が初読。
ソクラテスさんは真実のみに関心をお持ちで,人がそれに納得するかどうかにはあまり関心をお持ちでないのである。同時代の人々にとっては,さぞや面倒な相手であっただろう。「ゴルギアス」では,ソクラテスは三人の相手を次々に論破,というか黙らせてしまうのだが,ラスボス格のカリクレスは,うまく反論できないけど納得も出来ない,やってらんないよ,といわんばかりに議論を投げ出してしまう。
ソクラテスさんそんなことでいいのか,真実も大事だけど理解も大事ですよ,そもそも世の人はそんなに理性的でないですよ。。。と,およそ2000年前のギリシア人の老後を心配してしまうわけだが(まあ七十にして刑死なさるわけですけどね),考えてみたら,ソクラテスのいう真実というのは神様の保証付きの真実だし,「ロゴスの導きに従う」べき人とは自由市民のことであって,女子供や奴隷は勘定にはいっていないだろう。うかつに身近な話に置き換えてはいけないかもしれない。
それはともかく。。。山下和美のマンガ「不思議な少年」に,獄中のソクラテスを描いた一編があって,かの哲学者はクシャクシャな顔をした剽軽な老人として登場する。今回プラトンのこの本を読んでいる間中,頭の中ではずーっと,山下和美描くところのソクラテスを思い浮かべる羽目になった。マンガ恐るべし。
ベーシック・インカム入門 (光文社新書)
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山森亮 / 光文社 / 2009-02-17
北京陳情村
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田中 奈美 / 小学館 / 2009-02-26
ノンフィクション(-2010) - 読了:08/01まで (NF)