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2010年2月 8日 (月)

Bookcover 中世の秋〈2〉 (中公クラシックス) [a]
ホイジンガ / 中央公論新社 / 2001-05-10
ホイジンガの「中世の秋」に挑戦しようと思ったことは何度かあって,そのたびに数十頁で挫折してしまった。ヨーロッパ中世史なんてからっきしわからないし,いきなり「フィリップ善良候は...」なんて云われても誰のことかわからないし。
 ところが,年末に懲りもせずパラパラめくりはじめていたら,突然カチンとスイッチがはいったような感覚があって,俄然面白くなった。ブルゴーニュがどこだかわからなくても,どの時代の話であっても全然かまわない,この本に書かれているのは,人の世が取りうる一つの姿,いわば我々にとってのパラレル・ワールドの話だ,と思うようになったのである。そういう読み方が正しいのかどうか,よくわからないのだけれど。
 とにかく,ここんところ最大の面白本。すっかりのめり込んでしまった。

Bookcover ブルゴーニュ家 (講談社現代新書) [a]
堀越 孝一 / 講談社 / 1996-07-16
Bookcover ジャンヌ・ダルク (講談社現代新書) [a]
竹下 節子 / 講談社 / 1997-01-20
ホイジンガ読了後もブーム醒めやらず,その勢いで読んだ関連本。前者は「中世の秋」の訳者によるもの。この先生の文章には講談調の不思議な癖があって,好みが別れるところであろう。偉い先生に失礼ながら,俺にはちょっとオナカイッパイという感じでした。後者はジャンヌ・ダルクに焦点をあてた啓蒙読み物。異端の聖女はジャンヌだけでなく,先行例がいくつかあるのだそうだ。ふうん。

Bookcover ルワンダ中央銀行総裁日記 (中公新書) [a]
服部 正也 / 中央公論新社 / 2009-11
65年,アフリカ・ルワンダの中央銀行総裁として派遣された日銀マンの体験記。中央銀行とはいえ,日銀やFRBとはわけがちがい,経済発展に必要とあらば倉庫もバス会社もつくってしまうのである。大変面白い本だった。経済政策に関心があればさらに面白かろう。
 著者がルワンダに滞在したのは65年から71年まで(この本は72年刊の再刊)。この人が心血を注いだルワンダ経済は,しかし94年の動乱で無惨に崩壊してしまうことになる。

Bookcover あの日、「負け組社員」になった…―他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方 [a]
吉田 典史 / ダイヤモンド社 / 2009-12-11
「負け組社員」への転落事例をいささか扇情的に紹介した本。webの連載をまとめたものらしい。途中で挟み込まれている「教訓」ページは,後輩には仕事の重要なポイントは教えないこと,後輩が仕事をそつなくこなしても悪い評判を立てて自分の立場を守ること,職場では適度に群れをなし上司とは距離を置くこと。。。という具合で,非常にサツバツとした内容である。こういうの,webでアクセスを稼ぐには良いと思うが,書籍としてはどうなんですかね。

Bookcover 欲しがらない若者たち(日経プレミアシリーズ) [a]
山岡 拓 / 日本経済新聞出版社 / 2009-12-09
日経の研究所の人が,自主調査の結果をまとめた本。

ノンフィクション(-2010) - 読了:02/07まで (NF)

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