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2010年4月 5日 (月)
日本の近現代史をどう見るか〈シリーズ 日本近現代史 10〉 (岩波新書)
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/ 岩波書店 / 2010-02-20
去年から岩波新書で日本近現代史のシリーズが出ていて,「幕末・維新」期から「ポスト戦後社会」期までの各9期につき1著者づつという割り振りで9巻が刊行された。この本はシリーズ最終巻で,9人の著者が質問に答える形で,担当した時期の日本の姿を語る,または執筆の舞台裏や読者からの反応を語る,という構成。本編のほうを数冊しか読んでないのにこの本を読むのも,なんだか妙なものである。
戦前・戦後を通じての政治・経済・社会を理解する上で,自由主義と協同主義という軸を考えることができる(「占領と改革」の章)。このふたつは常に対立するわけではなくて,結びつく場合もある。たとえば自由主義派の政治家・芦田均が一時期経営していた郡是製糸会社は,養蚕農家・製糸業者の組合が母体で,コミュニティと生産活動を結びつけ,敗戦直後には経営協議会をつくって地域経済や福祉に責任を持とうとしたのだそうである。いまのグンゼですね。へえー。
日本近現代史 - 読了:「日本の近現代史をどう見るか」