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2010年7月21日 (水)
エセー〈3〉
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ミシェル・ド モンテーニュ / 白水社 / 2008-03
ながらく鞄のポケットに差し込んで,気分転換用にちびちびめくっていたのだが,このたび4巻が刊行されたのを機に,残りの章を一気に読みおえた。もし組み立てがしっかりしている文章をもって良い文章と呼ぶならば(常識的にはそうですよね),このフランス貴族の文章は,もうどうしようもないレベルである。「父親が子供に寄せる愛情について」という章なんて,子育ての話をしていたと思いきや,突然著者と作品のあいだの関係の話に移り,落ちもまとめもないままに終わってしまう。モンテーニュさんの話の流れはくねくねと蛇行し,いったいどこに進むのか見当もつかない。これが妙に面白いのである。昼休みにコーヒー飲んでいるときなどは特に。
勝者の代償―ニューエコノミーの深淵と未来
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ロバート・B. ライシュ / 東洋経済新報社 / 2002-07
著者はアメリカのリベラル派の論客。ずいぶん前にほとんど読み終えていて,最後の章だけ残っていた。
高度情報化社会が生んだ過酷なグローバル資本主義と,その反動たるネオ・ラッダイト的な閉鎖主義とのあいだでバランスを取っていくためには,共同性の再構築に基づく社会的選択が必要だ,というような趣旨であった。失業保険を収入保険に置き換えるとか,貧困層への住宅支援バウチャーで地域格差を減らすとか。
お風呂の歴史 (文庫クセジュ)
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ドミニック・ラティ / 白水社 / 2006-02-15
ヨーロッパのお風呂の歴史について述べた本。お風呂の中で読むには最適であった。ギリシャ・ローマ時代はもちろん,中世においても入浴はさかんに行われていたのだが,ルネサンスとともにお風呂の暗黒時代が訪れるのだそうだ。ふーん。
限界集落
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曽根 英二 / 日本経済新聞出版社 / 2010-04-23
テレビ記者による,岡山の過疎集落の長期密着ドキュメント。
ノンフィクション(-2010) - 読了:「エセー 3」ほか