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2011年1月 3日 (月)

面白そうな論文を見つけ,いつか読もうと積んでおく。。。というのが一番いけないのである。斜め読みでもいいからさっさと目を通す,そして必ず記録する,というのを徹底したい。徹底するぞ。

Johnson, E.J., & Meyer, R. J. (1984) Compensatory choice models of noncompensatory processes: The effect of varying context. Journal of Consumer Research, 11(1).
 さきほど斜め読み。第一著者のJohnsonというのはSawtooth社の有名なJohnsonさんではない。84年の論文をわざわざ読んでるなんて,物好きもいいところだが。。。
 非補償的選択に対してコンジョイントモデルを当てはめるとどうなるか,という研究。学生にアパートを選ぶコンジョイント課題をやらせる。アパートは4つの属性でできている。操作するのは選択肢の数(1,2,4,8個。1個の場合は評定課題)。で,選択肢の数が多いときには非補償的選択にシフトしているということを,発話思考法のプロトコル分析で確認しておく。さて,多項ロジットモデルで推定したパラメータがどうなるかをみてみると,(1)選択肢の数が増えるにつれて重要属性がより重要だと推定される。これは,連結型ルールやEBAルールでフィルタ役を果たす属性が,コンジョイントモデルでは重要性が高いことになっちゃうからだ,と数理的に説明できる。(2)いっぽう数理的予測に反して,選択肢の数が増えても多項ロジットモデルの予測的妥当性は下がらない。
 多項ロジットモデルのパラメータを集団レベルで推定している点が話をややこしくしていると思う。それはともかくとして,非補償的選択がなされているのに多項ロジットモデルの予測力は下がらない,という点が不思議だ。選択シミュレータを使おうという立場からはハッピーなニュースかもしれないけど,部分効用の解釈という観点からはいささか気持ち悪い。

論文:マーケティング - 読了:Johnson&Meyer(1984)

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