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2011年6月 7日 (火)

Bell, D.R., Iyer, G., Padmanabhan, V. (2002) Price competition under stockpiling and flexible consumption. Journal of Marketing Research, 39(3), 292-303.
 値引きに伴う基本需要増大を考慮した、価格競争のゲーム理論的モデルをつくりました、という論文。
 ある商品を値引きすると、ブランドスイッチが起きるだけでなく、カテゴリの基本需要も増える。後者には、純粋に買い置きされるという面と、消費が増えるという面がある。つまりカテゴリによって、買い置きのみ増えたり、消費のみ増えたり、両方増えたり、するわけである。なるほど、安売りのティッシュを山ほど買っても鼻をかむ回数は変わらないが、格安ワインを「買い置きするだけよ」と買ってもついつい飲んでしまうものだ。こうした買い置きと消費増大の両方を考慮します、というのがこの研究の売りである模様。
 論文の前半では、ものすごく抽象化した状況を考えてゲーム理論的モデルをつくる。著者様には誠に恐縮だが、全然関心ないのでスキップした(仮に読んだところで理解できそうにない)。何だか知らんが、消費が増大する程度だとか、貯蔵コストだとか、そういう定数を与えてやると、値引きの頻度やら値引き率やらの均衡点が出てくる、というモデルであるらしい。ふーん。
 後半は、このモデルによる予測と実データの比較。買い置きのみ起きると考えられる4カテゴリ(ティッシュなど)、買い置きと消費増大の両方が起きると考えられる4カテゴリ(ヨーグルトなど)のスキャン・パネル・データをつかう。モデルから導かれる「消費が増大するタイプのカテゴリでは、(1)値引きの頻度がより多くなり、(2)値引き率はより大きくなり、(3)平均価格はより安くなる」という予測が、データと整合することを示す。3つの変数をカテゴリ間で単に比較するだけでなく、3つの変数についてそれぞれ階層ランダム効果モデルをつくったりする。いっけん小難しく見えるけど、階層モデルになるのはカテゴリとアイテムの両方を考えるから、ランダム効果モデルになるのはアイテム間のちがいをランダム切片で表すためで、そんなに難しい話ではなさそうだ。ちゃんと読んでないけど。
 途中からもう死ぬほど面倒になったので、スキップ、スキップ、スキップ。。。結局なにもかも飛ばし読み。スミマセン。

論文:マーケティング - 読了:Bell, Iyer, & Padmanabhan (2002) 値引きが買い置きやカテゴリ消費増大をもたらすような商品カテゴリにおける価格競争

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