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2011年8月28日 (日)

Bookcover 日本沈没 上 (小学館文庫 こ 11-1) [a]
小松 左京 / 小学館 / 2005-12-06
Bookcover 日本沈没 下 (小学館文庫 こ 11-2) [a]
小松 左京 / 小学館 / 2005-12-06
あまりの要領の悪さ,そこからくるあまりの忙しさにうんざりし,仕事を投げ出して読んだ本。たしか中学生か高校生の頃に読んだと思う。
 すっかり忘れていたのだけれど,田所博士は最期の場面で「もっとたくさんの人に... 日本と,この島といっしょに...死んでほしかったのです...」と慟哭するのであった。重い台詞である。

Bookcover 狂雲集 (中公クラシックス) [a]
一休 宗純 / 中央公論新社 / 2001-04
ここ数ヶ月持ち歩いていた本。
 コンテクストがわからないのでほとんど理解できていないのだが,すくなくとも一休和尚はすべてのコンテクストから自由な人ではなくて(そう,そんなことが可能なわけがない),当時の禅宗をめぐる社会状況に深く埋め込まれた人なのであった。ときおり出現する熱烈な天皇崇拝もそうだし,対立する僧たちへの批判たるや,本人が「言鋒殺戮す,幾多の人ぞ偈を述べ詩を題し筆もて人を罵る,八裂七花舌頭の罪,黄泉には免れがたし火車の人」と自省する通りである。老境の純愛として名高い盲目の森女とのエピソードも,解説によれば,大徳寺入山の決意を合理化する壮大な文学的フィクションと解することができるのだそうである。一概に風狂の人といえるわけではなさそうだ。

フィクション - 読了:「日本沈没」「狂雲集」

Bookcover 中東民衆革命の真実 ──エジプト現地レポート (集英社新書) [a]
田原 牧 / 集英社 / 2011-07-15
著者は東京新聞の中東専門記者で,この人の書いたものはなるべく読むように心がけている。新聞ではたしか別の名前になっていると思う。
 まさかエジプトで市民革命が成功するとは思わなかった由。専門家でもそうだったのか。

Bookcover 三陸海岸大津波 (文春文庫) [a]
吉村 昭 / 文藝春秋 / 2004-03-12

Bookcover なぜ人妻はそそるのか? 「よろめき」の現代史 (メディアファクトリー新書) [a]
本橋信宏 / メディアファクトリー / 2011-06-29
著者は風俗ビジネスと新左翼運動に強いライターの方。戦後社会における人妻の意味の変遷を追うデスクリサーチと,著者得意の人妻風俗体験記とを組み合わせた内容であった。

Bookcover ばかスイーツ [a]
べつやくれい / アスペクト / 2011-08-25
かの人気webサイト「デイリーポータルZ」での記事をまとめたもの。ホットケーキが食べたくなってしまった...

ノンフィクション(2011-) - 読了:「中東民衆革命の真実」「三陸海岸大津波」「なぜ人妻はそそるのか」「ばかスイーツ」

Bookcover 大東京トイボックス (7) (バーズコミックス) [a]
うめ / 幻冬舎 / 2011-08-24
もし誰かに「いま面白い連載マンガは?」と問われたら(誰にも問われないけど),答えのひとつはこの作品である。神田昌平橋あたりにある零細ゲーム製作会社を舞台にした群像劇。シニカルなベテラン・プログラマーと挫折した若者とのエピソード,ちょっと胸が熱くなります。掲載誌は幻冬舎の月刊誌,メジャーな舞台とは言い難いが,単行本はよく売れているようで,なによりである。

Bookcover 角刈りすずめ (2) (近代麻雀コミックス) [a]
KICHIJO / 竹書房 / 2011-08-17
竹書房の麻雀漫画誌に連載されていたギャグマンガ。角刈りに着流し姿の放浪の雀士が,「マラソンしながら対局」といった奇妙な麻雀に翻弄される。面白い。二巻で終わるのは残念だが,さすがにこの奇想天外な着想を量産していくのは無理だろう。

Bookcover ZUCCA×ZUCA(1) (KCデラックス モーニング) [a]
はるな 檸檬 / 講談社 / 2011-07-22
宝塚マニアの女性達をコミカルに描いた四コマ。講談社のwebで連載しているのを感心して読んでいた。こんなところに鉱脈があったのか,という印象である。企業社会で懸命に働くアラサーの女性たちが,プライベートではなぜか宝塚に不条理なまでの情熱を注いでいて... というあたりに,切ない可笑しさがこみ上げてくる。最初から最後まで宝塚マニアの話なのに,現代に生きる人々の普遍的な奇妙さや哀しさが浮かび上がってくるような気がする。
 あとがきマンガによれば,著者は東村アキコ(「主に泣いてます」)の元アシスタントで,ストーリーマンガを持ってきた著者に東村さんは,あんたの飛び道具は宝塚しかない,それをネタにしろ,とアドバイスしたのだそうだ。なるほど,これは確かに飛び道具だ。

Bookcover 中国嫁日記 一 [a]
井上 純一 / エンターブレイン / 2011-08-12
若い中国人妻との日常をコミカルに描いた,近年のブログマンガの一大ヒット作。単行本もよく売れているらしい。

Bookcover 海街diary 4 帰れない ふたり(flowers コミックス) [a]
吉田 秋生 / 小学館 / 2011-08-10
このマンガ,大嫌いなんだけど,良い作品であることは否めない...

Bookcover しろくまカフェいちご味! (フラワーコミックススペシャル) [a]
ヒガ アロハ / 小学館 / 2009-09-10
Bookcover しろくまカフェマンゴー味! (フラワーコミックススペシャル) [a]
ヒガ アロハ / 小学館 / 2010-12-10

Bookcover 銀の匙 Silver Spoon 1 (少年サンデーコミックス) [a]
荒川 弘 / 小学館 / 2011-07-15

Bookcover 中間管理職刑事   (バンブーコミックス) [a]
秋月 りす / 竹書房 / 2011-06-27

Bookcover スピカ 〜羽海野チカ初期短編集〜 (花とゆめCOMICSスペシャル) [a]
羽海野チカ / 白泉社 / 2011-07-20

Bookcover I【アイ】 第1集 (IKKI COMIX) [a]
いがらし みきお / 小学館 / 2011-07-29

Bookcover あの日からのマンガ (ビームコミックス) [a]
しりあがり寿 / エンターブレイン / 2011-07-25

Bookcover めしばな刑事タチバナ 2 [牛丼サミット再び] (トクマコミックス) [a]
坂戸 佐兵衛 / 徳間書店 / 2011-07-30

Bookcover ママゴト 1 (ビームコミックス) [a]
松田 洋子 / エンターブレイン / 2011-08-25

Bookcover 進撃の巨人(5) (講談社コミックス) [a]
諫山 創 / 講談社 / 2011-08-09

Bookcover ヒナまつり 1 (ビームコミックス) [a]
大武 政夫 / エンターブレイン / 2011-07-15

Bookcover 毎日かあさん8 いがいが反抗期編 [a]
西原 理恵子 / 毎日新聞社 / 2011-08-27

Bookcover イムリ 10 (ビームコミックス) [a]
三宅 乱丈 / エンターブレイン / 2011-08-25

Bookcover 繕い裁つ人(1) (KCデラックス Kiss) [a]
池辺 葵 / 講談社 / 2011-03-11

Bookcover PIL (オフィスユーコミックス) [a]
ヤマザキ マリ / 創美社 / 2011-08-19

コミックス(2011-) - 読了:「大東京トイボックス」「繕い裁つ人」「イムリ」「PIL」「毎日かあさん」「ヒナまつり」「角刈りすずめ」「進撃の巨人」「ZUCCA ZUCA」「ママゴト」「中国嫁日記」「めしばな刑事タチバナ」「海街diary」「あの日からのマンガ」「アイ」「スピカ」「中間管理職刑事」「銀の匙」「シロクマカフェ」

2011年8月 8日 (月)

Bookcover 貧困を救うのは、社会保障改革か、ベーシック・インカムか [a]
橘木 俊詔,山森 亮 / 人文書院 / 2009-11-20
こういうお手軽な対談本をめくって,わかったような気分になっているのは,恥ずかしいことなのだけれど...

Bookcover この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫) [a]
西原 理恵子 / 角川書店(角川グループパブリッシング) / 2011-06-23
先日倒産した理論社が末期に出したベストセラー。入手できない状態だったが,このたび文庫化。また,この本を含めて面白い本を連発していた「よりみちパン!セ」シリーズも,別の出版社に無事引き継がれるのだそうだ。

Bookcover 別役実のコント教室―不条理な笑いへのレッスン [a]
別役 実 / 白水社 / 2003-11
この本を読んでからしばらく,日々の生活の中のなにかふとした瞬間に,別役実が耳元で「ここで男2が驚くのはまだ早い」「前振りに店長を出しておくべきです」などと指導してくれるような気がして,妙な気分であった。
 別役実さんはいまハヤカワの演劇誌で素人のコント作品を批評する連載を持っていて,娘のべつやくれいさんがイラストを描いており,たしかワニとか鳥とかにむかってキリンが講義している絵柄だったと思う。なんだか可笑しい。

Bookcover おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2 [a]
村上 春樹 / マガジンハウス / 2011-07-07
「anan」連載のごく軽いエッセイ集。「医師なき国境団」って,あなた。。。

ノンフィクション(2011-) - 読了:「貧困を救うのは,社会保障改革か,ベーシックインカムか」「この世で一番大事なカネの話」「別役実のコント教室」「おおきなかぶ,むずかしいアボカド」

Bookcover 雪男たちの国 [a]
ノーマン・ロック / 河出書房新社 / 2009-01-24
スコット探検隊を題材にした幻想小説。もうなにがなんだか。

Bookcover 特捜部Q ―檻の中の女― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1848) [a]
ユッシ・エーズラ・オールスン / 早川書房 / 2011-06-10
燃え尽き寸前の一匹狼刑事と,中東からやってきた奇妙に有能な掃除夫との凸凹コンビが難事件を解決する話であった。面白いけど,終盤はかなりご都合主義的に疾走する。日本人作家が書いていたら絶対読まない種類のミステリであった。こういうの,ハヤカワのポケミスでも出るんですね。

フィクション - 読了:「雪男たちの国」「特捜部Q」

Bookcover 近代日本のナショナリズム (講談社選書メチエ) [a]
大澤 真幸 / 講談社 / 2011-06-10

日本近現代史 - 読了:「近代日本のナショナリズム」

Bookcover 3月のライオン 6 (ジェッツコミックス) [a]
羽海野 チカ / 白泉社 / 2011-07-22
よくわかんないんだけど,日本のマンガに蓄積された洗練された表現をこの人はあえて避け,ひたすらわかりやすい演出に徹しているように感じる。ふだんマンガを読まない幅広い層になんとかリーチしようとする,著者の決意と努力を感じる。
 それにしても... このマンガ,発売日は朝日朝刊でカラーの全面広告,夕刊で一面カラー三段を打っていた。新聞広告は安くなったというけれど,それにしてもずいぶん思い切った投資だ。下の「大奥」も発売日にはずいぶん派手なポスターをみかけた。白泉社,すごいなあ。

Bookcover 大奥 7 (ジェッツコミックス) [a]
よしなが ふみ / 白泉社 / 2011-06-28
男女が逆転した架空の江戸時代を舞台にした大河ストーリー。物語はふたたび享保年間に戻る。どうやら脳性麻痺の娘(家重)を持った母・吉宗を正面から描くつもりらしい。よくもそういう難しい話を...

Bookcover サウダーデ(1) (KCデラックス Kiss) [a]
池辺 葵 / 講談社 / 2011-07-13
個性的な女性が店主を勤める喫茶店を舞台にしたファンタジー。講談社「KISS」連載。

Bookcover 冷蔵庫探偵 1 (ゼノンコミックス) [a]
遠藤 彩見,佐藤 いづみ / 徳間書店 / 2011-05-20
冷蔵庫をみるだけでその人の生活を浮き彫りにしてしまうという女性が探偵役を演じる,軽いミステリー。

Bookcover 片桐くん家に猫がいる (Bunch Comics Extra) [a]
吉川 景都 / 新潮社 / 2010-02-09

Bookcover おうちがいちばん ⑥ (バンブーコミックス) [a]
秋月 りす / 竹書房 / 2011-06-27

Bookcover 誘爆発作(1) (シリウスKC) [a]
岡村 星 / 講談社 / 2011-07-08

Bookcover しろくまカフェ (フラワーコミックススペシャル) [a]
ヒガ アロハ / 小学館 / 2008-03-26

コミックス(2011-) - 読了:「3月のライオン」「大奥」「おうちがいちばん」「サウダーデ」「誘爆発作」「冷蔵庫探偵」「しろくまカフェ」

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