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2012年8月 4日 (土)

Rubinson, J. & Pfeiffer, M. (2005) Brand key performance indicators as a force for brand equity management. Journal of Advertising Research, 45, 187-197.
 消費者・顧客ベースのブランドエクイティ調査をどのように活用していくか、という実践的手引き。著者らは実務家で、第一著者は調査会社NPD Group出身。目新しい話はないが、調査担当者の自己研修資料としては最良の部類であろうと思う。(←おお、偉い人みたいな言い回しだ)
 論文後半では、携帯電話会社のブランドエクイティ管理について実例を挙げていて、目標売上をリテンション・新規・アップセルに分解し、そこからトップダウンで、KPIと目標設定へと落とし込んでいく。自社ブランドのイメージ「顧客に気配りしている」のtop2box%がいま45%なのを、来期は65%に向上させる、「金額ぶんの価値がある」を52%から67%に向上させる... 以上5つが目標だ、全部達成したら市場シェアは8%伸びるぞ。というところまで、CS調査データと統計モデルに基づいて追い込んでいくのである。うーむ... ひとつのケース・スタディなんだろうけど、ここだけ読むと、「そこまでやりますか」というか、奇妙な殺伐さと非現実的雰囲気を感じる。フィジビリティとかサステナビリティという視点はどこで入ってくるのか? 組織ってのはそんな風に動かせるものか? ここに欠けているリングはなんだろう?。。。などと、あれこれ思い惑いつつ読了。ともあれ、勉強になりましたです。

論文:マーケティング - 読了: Rubinson & Pfeiffer (2005) ブランド調査はこう使え

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