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2013年8月12日 (月)
NA選書 手すり大全 (日経BPムック NA選書)
[a]
/ 日経BP社 / 2008-10-30
文字通り、ひたすら「手すり」(あの、階段とか便器の脇の壁とかについている奴) について述べる本。日経アーキテクチャーの特集号を元にしたものだから、基本的には専門家向けなのだけれど、手すりに対する無闇にハイテンションな愛がつまっているところ、面白くて仕方がない。何でこんな本を読んでんだかわからないが、ついつい読み終えてしまった。
「大学セミナーハウス」などで知られる建築家の吉阪隆正は、手すりを大変重視し活用した人なのだそうだ(そうそう、お茶の水のアテネ・フランセの階段にはものすごく重厚で印象的な手すりがある)。で、この先生、階段の手すりを支える縦の桟(「手すり子」)の本数を少なく、間隔を空けて設計することが多かった。隙間から足を踏み外したりして危なそうだが、その背景には、建築は身体感覚を呼び覚ますべきだ、危ない場所は危なそうにみえるべきだ、というような信念があったのではないか、とのこと。
この信念に従い、自宅の外階段には手すりそのものをつけなかったが、「ちょっとヒヤッとするくらいのほうがかえって落ちないものだ」という見込みは正しく、そこから落ちたのは吉阪隆正本人だけだったそうである。
商店街再生の罠:売りたいモノから、顧客がしたいコトへ (ちくま新書)
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久繁 哲之介 / 筑摩書房 / 2013-08-07
著者は「地域再生プランナー」という肩書きの方。全く知識のない方面の話で、興味深く読み終えたが、別の角度からの本も読まないといけないかもしれない。千葉県の民間図書館の話が面白かった。
民族紛争 (岩波新書)
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月村 太郎 / 岩波書店 / 2013-06-21
ヤバい社会学
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スディール・ヴェンカテッシュ / 東洋経済新報社 / 2009-01-16
数年前に大変な評判となった本。邦題はちょっと下品だが、これは別のベストセラーの邦題を踏まえたもので、原題は"Gang Leader for a Day." 社会学専攻のの院生がシカゴの団地に潜り込み、インフォーマントのギャングと奇妙な友情を結ぶ。参与観察のモノグラフというより、一種の青春小説として読めるところが、ベストセラーとなった理由だろう。
ノンフィクション(2011-) - 読了:「手すり大全」「ヤバい社会学」「民族紛争」「商店街再生の罠」