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2014年5月 1日 (木)

櫻井 祐子, 沖本 天太, 岡 雅晃, 兵藤 明彦, 篠田 正人, 横尾 真 (2012) クラウドソーシングにおける品質コントロールの一考察. 合同エージェントワークショップ&シンポジウム(JAWS), 2012.10.
 Prelecのベイジアン自白剤(BTS)を紹介している日本語文献として、いまのところ唯一発見できたもの。
 クラウド・ソーシングで、ワーカに作業結果と一緒に「作業結果についての自信」を報告させる(ないし、期待利得が異なる二つの価格プランから一方を選ばせる)。このとき、どういう報酬にすれば真の解答と真の主観的自信を報告することが最適戦略になるか、という研究。
 実際に、Amazon Mechanical Turkとランサーズで実験している。価格プラン選択のほうで、提案手法はうまくいきました、とのこと。

 先行研究概観。エージェントに主観確率を真実申告させるためのメカニズムとしては、まず proper scoring rule がある。Bickel (2007, Decision Analysis)というのが挙げられている。また、条件付き事前確率が共有知識である場合のメカニズムとしてはBTSがある。
 クラウドソーシングの品質管理の研究はいっぱいある。BTSを導入した例もある由(Shaw, et al., 2011, Proceedings)。
 マルチエージェントシステムの研究にも関連したのがある由。チームリーダーとメンバーのそれぞれにメンバーの作業時間を予測させるとか。へー。

 肝心の提案手法については、ちゃんと読んでないのだが(すいません)... BTSについて、ずーっと質問紙調査の手法という観点から考えていたので、こういう視点は大変勉強になった。

論文:予測市場 - 読了:櫻井 et al. (2012) クラウドソーシングで品質の主観的自信を正直に報告させるメカニズム・デザイン

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