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2015年7月 6日 (月)
ここんところ、本を読む時間が全然とれない。。。
ヒトラーの国民国家――強奪・人種戦争・国民的社会主義
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ゲッツ・アリー / 岩波書店 / 2012-06-07
評判を聞いて是非読んでみたいと思ったのだが、新刊では入手できず、図書館で借りて読んだ(あれ?いまみたらamazonに在庫があるけど)。
財政の知識が足りないせいで理解できない場所が多く、悔しい。
著者はナチの支配を「好感度独裁」と呼ぶ。有給休暇、子ども手当、借家人の保護、年金額の引き上げ。それを可能にした財源は、占領地域からの徹底した収奪、そしてユダヤ人絶滅政策であった。
ナチ指導部はドイツ人を狂信者に変えたのでもなければ、確信的支配人種に変えたのでもなかった。むしろ国民多数を、うまい汁を吸う者、体制の小受益者にすることに成功したといえよう。[...]全体としてみれば国家が巨大な強奪マシーンに変身したように、普通の人びとは体制の利益を受け取る、受動的な収賄者に成り果てたのであった。[...]
[...] 気がついてみれば、無学で質素な生活の経験しか持たない人間が、数年前にはその存在さえも知らなかったような者を我が手にし、ミルクと蜂蜜が潤沢に溢れるようなドイツの、命運全体がかかっている大戦争に参加していたのであった。それだけならば何ら説得的な戦う動機にならなかっただろう。しかし戦争そのものは、戦後の生活がいかに快適になるか、それがどんなに満足・歓びをもたらすか前もって味わえる機会を与え、『我々が今日戦い取ったところで明日はみんな生活できるのだ[今日の征服は明日の生活!]』というモットーに道を開いたのであった。そこから出てきたものは、たえず去来するやましい気持ちと、ありうべきは全面勝利のみ、さもなければ全面敗北という漠とした不安感であった。
うーん。。。ホロコーストとの対比に目眩がするけれど、落ち着いて考えてみると、そのような社会状況を我が事として想像するのも、そんなに難しくない。
ヘイトスピーチ 「愛国者」たちの憎悪と暴力 (文春新書)
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安田 浩一 / 文藝春秋 / 2015-05-20
神聖ローマ帝国 (講談社現代新書)
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菊池 良生 / 講談社 / 2003-07-19
技術大国幻想の終わり これが日本の生きる道 (講談社現代新書)
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畑村 洋太郎 / 講談社 / 2015-06-18
村 百姓たちの近世〈シリーズ 日本近世史 2〉 (岩波新書)
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水本 邦彦 / 岩波書店 / 2015-02-21
入門 組織開発 活き活きと働ける職場をつくる (光文社新書)
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中村 和彦 / 光文社 / 2015-05-19
山岳信仰 - 日本文化の根底を探る (中公新書)
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鈴木 正崇 / 中央公論新社 / 2015-03-24
ノンフィクション(2011-) - 読了:「ヒトラーの国民国家」「山岳信仰」「入門・組織開発」「ヘイトスピーチ」「村・百姓たちの近世」「技術大国幻想の終わり」「神聖ローマ帝国」