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2015年12月14日 (月)
GDP――〈小さくて大きな数字〉の歴史
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ダイアン・コイル / みすず書房 / 2015-08-26
軽い気持ちで手に取ったんだけど、この本はアタリであった。GDPのなりたちと限界についてコンパクトに語る啓蒙書。
気になったところをメモ:GDPではイノベーションを測るのが難しい、という話のなかで触れられていたのだが、商品の多様化そのものが消費者にもたらす価値を定量的に調べた研究があるのだそうだ。Hausman(1994, NBER Working Paper) というのが挙げられている。へー。
井上ひさしの劇ことば
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小田島 雄志 / 新日本出版社 / 2014-09
井上ひさしの戯曲を辿るエッセイ。世田谷文学館での講演が基になっているとのこと。
著者によれば、井上ひさしの戯曲の第一のピークは「藪原検校」。これにはあまり異論がないと思うのだけれど、評伝劇で「頭痛肩こり樋口一葉」「組曲虐殺」、ほかに「化粧」「父と暮らせば」あたりを高く評価しておられて、興味深い。東京裁判三部作はあまり買っていない模様。そうかなあ、「夢の痂」は素晴らしいと思うし、評伝劇ならなによりもまず「イーハトーブの劇列車」じゃないかなあ... ま、こんな風にあれこれ考えるのもなかなか楽しい。
それにしても、著者が指摘するように、井上ひさしの戯曲は「父と暮らせば」あたりから大きく様相が変わる。著者の言葉を借りれば「テーマとことばがぴったり一致していきます。劇ことばは深い湖のようになってきたのです」(流石、素晴らしい表現だ)。こういう変化がこの段階で起こりうる、というところが不思議だ。すでに大作家なのにね。
イスラーム法とは何か?
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中田 考 / 作品社 / 2015-10-31
日本外交への直言――回想と提言
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河野 洋平 / 岩波書店 / 2015-08-29
誰が「橋下徹」をつくったか ―大阪都構想とメディアの迷走
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松本 創 / 140B / 2015-11-13
橋下さんという現象についての腑に落ちる謎解きがようやく登場した、という印象。読んでいてだんだん気持ちが悪くなってきた。橋下人気は衰退するかもしれないけれど、きっとこれから、第二、第三の橋下さんが現れるだろう、そのときいったいどうすればいいのか...
ノンフィクション(2011-) - 読了:「GDP」「日本外交への直言」「イスラーム法とはなにか?」「井上ひさしの劇ことば」「誰が『橋下徹』をつくったか」