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2016年1月 3日 (日)

Bookcover 日本海軍はなぜ過ったか――海軍反省会四〇〇時間の証言より (岩波現代文庫) [a]
澤地 久枝,半藤 一利,戸高 一成 / 岩波書店 / 2015-07-16

Bookcover 吉原はこんな所でございました 廓の女たちの昭和史 (ちくま文庫) [a]
福田 利子 / 筑摩書房 / 2010-10-08
原著は86年刊。著者(語り手)は吉原の茶屋育ち、戦後の混乱期には自ら娼館を経営、料亭に商売替えして活躍。赤線廃止後に久保田万太郎の支援を受けて「花魁ショー」を立ち上げ、観光名所として人気を呼んだそうだ。興味深い本であった。
 吉原は東京大空襲で全滅、ところが政府は吉原復興を命じ、生き残った花魁たちを掻き集めて無理矢理営業を開始した。それが1945年8月5日で、10日後には再び店を閉める羽目になった由。もっとも、すぐに進駐軍の慰安施設に衣替えさせられることになるのだが。 。。なんだか暗澹とさせられる話だ。空襲では凄まじい数の人々が亡くなっているはずである。

 そういえば、ソープランドを手広く営んでいる角海老グループというのがある。子供の頃私は「角海老」と大書してある看板の横でよく遊んだもので、成長してからその業種がわかってびっくりした。たしかボクシングジムも手がけてますね。この屋号、明治期の吉原の大見世の一つであった角海老楼から取っているそうだ。wikipediaによれば、直接のつながりはないのだけど、創業者でありソープの帝王と呼ばれた実業家・鈴木正雄は、若き日に車夫として角海老楼に出入りしていたとのこと。

日本近現代史 - 読了:「日本海軍はなぜ過ったか」「吉原はこんな所でございました」

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