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2016年3月15日 (火)
Mahajan, V., Muller, E., Bass, F.M. (1990) New Product Diffusion Models in Marketing: A Review and Directions for Research. Journal of Marketing, 53, 1-26.
前に読んだMeade & Islam (2006)で紹介されていた、80年代のイノベーション普及モデル研究の総括。原稿の都合で仕方なくとはいえ、四半世紀前の論文に目を通すなんて、どんな好事家かと...
内容は、(1)Bassモデルとその性質、(2)パラメータ推定をめぐる諸問題、(3)パラメータの時間変動を許容するバージョン(フレキシブル普及モデル)、(4)Bassモデルの拡張、(5)普及モデルの記述的・規範的な使用。時間がないのでほとんど読み飛ばしたけど、多岐にわたる問題を手際よく整理した名レビュー論文であった(ような気がする)。
いま関心のある箇所のみメモ:目の前ではじまっている新製品普及についてBassモデルを推定するときどうするか。正面からのパラメータ推定は、非累積の普及曲線がピークを過ぎていないと難しいのだけれど、もうそんだけ時間が過ぎているなら、Bassモデルを推定しても予測的な使い方はできないわけで、初期の短い観察だけでなんとかならないか、という話である。
- Sultan, Farley, Lehman(1990 JMR): ベイジアン・アプローチ。まず非線形推定かなんかで無理やりパラメータを推定し、これとデータベース由来の初期値との加重和を求める。ウェイトは現データからのパラメータ推定値の変動の関数とする。
- Lenk & Rao (1989 MktgSci): これもベイジアン・アプローチ。製品間分散と製品内分散を考慮して初期値を算出。[←どういうことかわからない]
- Bretschneider & Mahajan (1980 Tech.Forecasting&Soc.Change): feedback filter によって時点ごとにパラメータを更新していく。このfeedback filterは、時点 t におけるパラメータの値を、時点 t における非累積の需要者数の現実と予測のずれに基づいて修正していく。[←これも全然わからん]
- Meade (1985 J.ORSoc.): Mansfieldモデルのパラメータをカルマンフィルタで時変させる。 [←Mansfieldモデルとは、Bassモデルからイノベーション係数を抜いた形のモデル。Bassモデルより古い]
論文:マーケティング - 読了:Mahajan, Muller & Bass (1990) 新製品普及モデルレビュー in 1990