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2016年4月12日 (火)

Bates, J.M., Granger, C.W. (1969) The Combination of Forecasts. OR. 20(4), 451-468.
予測結合の研究ですごくよく引用される古典なので、一応ざっと目を通した。

 不偏な予測が2つあるとき、どう結合するのがよいか。
 誤差分散が過去を通じてそれぞれ$\sigma^2_1, \sigma^2_2$だとしよう。重み$k, 1-k$で線形結合したとして、分散は
 $\sigma^2_c = k^2 \sigma^2_1 + (1-k)^2 \sigma^2_2 + 2\rho k \sigma_1 (1-k) \sigma_2$
 となる理屈である($\rho$は誤差の相関)。これを最小化する$k$は
 $\displaystyle k=\frac{\sigma^2_2 - \rho \sigma_1 \sigma_2}{\sigma^2_1 - \sigma^2_2 - 2 \rho \sigma_1 \sigma_2}$
 ところで、もし過去データがなかったら、最初の$k$は0.5にしといて、データが溜まるにつれて$k$を直していくしかない。時点$T$における予測結合を以下としよう。予測を$F_{1,T}, F_{2,T}$として、
 $C_T = k_T f_{1,T} + (1-k_T)f_{2,T}$

 二乗誤差最小な結合手法は以下の条件を持つだろう:(1)予測性能が定常だとして、予測数の増大とともに$k$が最適値に接近する。(2)予測の成否とともに$k$が変わる。(3)$k$の最適値まわりの変動は小さい。さらにいえば、ビジネスマンのみなさんのために、なるべく簡単な手法にしておきたい。
 以下、予測1,2の時点$t$での予測誤差を$e_{1,t}, e_{2,t}$とする。
 選手入場です。

 実データにあてはめてみると...[いろいろ比較しているけど、別に決着がつくわけでもない。関心なくなったのでパス]
 [ちょっとした修正案にも触れているけど、パス]
 云々。

 いやあ、時代の違いだなあ。現代であれば、なんらかの枠組みの下で最適な推定量を導出します、という風に話を進めるだろう。こんな風に推定量を思いつきで作って実データで比較するというような牧歌的な研究は、ちょっと許されないんじゃないかしらん。
 というわけで、途中からまじめに読んでないんだけど、もともとの研究の文脈がわかったので良しとしよう。こうしてみると、Morris(1974)が予測結合という問題にベイズ更新という観点を導入したのは、ひとつの革新だったんだな、と納得。

論文:データ解析(2015-) - 読了:Bates & Granger (1969) 2つの予測をどうやって結合するか

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