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2016年5月23日 (月)
そういえば、ずっと前にこんなメモを作ったんだった...
別に自分がどんな映画が好きなのか宣伝したいわけじゃないんだけど、昨年日本公開されたテディ・チャン監督の 「カンフー・ジャングル」はとても気に入った。なんというか、去りゆく香港カンフー映画の時代への暖かい挨拶というか、ちょっと郷愁に駆られるような、よい映画です。
この映画、 エンド・クレジットの直前に"The producers wish to dedicate this film to..."という前置きで、カメオ出演した大物や本作スタッフなど、 たくさんの香港映画人が次々に紹介される。しかしながら、残念なことにほとんどの人物が誰だかわからないわけで、劇場で観ている際は、ちょっと取り残されたような気持ちであった。
あ、youtubeにあがっていた..せっかく調べたのに... (涙)
先日DVDを買っちゃって、横目で繰り返し見ながらPCに向かい、誰が誰だか逐一調べてしまった。メモまでつくったので載せておく。
いえ、私も別にそんなにヒマなわけじゃないんですけどね。(説得力なし)
主なデータソースはIMDBです。きっと誤りもあるかと思いますです。
- 入れ墨屋の壁の映画ポスター: 「ドラゴン危機一発」。主演はもちろん、李小龍 Bruce Lee。
- 最初の殺人現場でロク警部(チャーリー・ヤン) に「弾倉はカラだった」という警官: 劉偉強 Andrew Lau。監督(「インファナル・アフェア」)。ちなみに、冒頭でロク警部たちに挨拶するのはこの映画の監督である陳徳森Teddy Chanではないかと思うのだけれど...
- カメラマン: 鄒連友 Davy Tsou。クレジット上はLin Yau Tsouとなっている。この映画の3rd unit cameraman。
- 燕のレプリカの由来を教えてくれる老人: 徐小明 Siuming Tsui。監督(「天山回廊 ザ・シルクロード」)、プロデューサー。
- ロク警部が最初に刑務所を訪れた際に警部を案内する看守: 鄭保瑞 Soi Cheang。俳優(「PTU」), 監督(「モンキー・マジック」)。
- 灰色のポロシャツを着た男: 鄒林 Chow Lam。この映画のgaffer(照明主任)。
- ロク警部の後任の嫌味な感じの刑事: 郭子健 Derek Kwok (aka. Chi-kin Kwok)。監督(「全力スマッシュ」)。
- ラム警部が刑務所に向かう途中でカーラジオから聞こえてくる、脚技の達人の死を報じる声: 呉思遠 Ng See-yuen。プロデューサー(「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱」)。
- 刑務所のテレビで最初の殺人を伝えるアナウンサー: 章國明 Cheung Kwok-Ming (aka. Alex Cheung)。映画監督(「香港極道 警察」)。
- チャーリー・ヤンにアクションを振り付けている女性: 楊菁菁 Yeung Ching-Ching。この映画のassistant martial arts director。往年のアクション女優(「少林拳対武当拳」)。
- 路上に竹の棒を放置して逃げる無責任な運転手: 羅禮賢 Bruce Law。私でさえ存じあげております、カー・スタントの第一人者。この映画にもcar stuntとしてクレジットされている。
- 警官隊が踏み込んだサウナのTVで流れている映画: 映画「ビースト・ストーカー 証人」。監督は林超賢 Dante Lam。
- テディ・チャン監督の背後で両手に腕を当てて立っている小柄な男性: 吳里璐 Dora Ng。この映画のcostume designer。
- 映画スターであるところの武器の達人が出演する映画を撮っているサングラスの監督: 張同祖 Joe Cheung (aka. Cheung Tung-cho)。監督(「マカオ極道ブルース」)、俳優(「インファナル・アフェア:無間地獄」)。
- 入れ墨屋の壁の映画ポスター: 「蜀山奇傳 天空の剣」。監督は徐克 Tsui Hark、プロデューサーは後出のレイモンド・チョウ。
- かつて武器の達人であった屋台の店主: 姜大衛 John Chiang。旧名David Chiang、70年代ショウ・ブラザース映画の看板俳優。
- 仮釈放中のドニーさんが泊まっているホテルの部屋かなにかで流れている映画:「ドランクモンキー 酔拳」 、成龍 Jackie Chan と袁小田 Yuen Siu-tien の出演シーン。武術の師匠役でなじみ深い袁小田さん、あのユエン・ウーピンのお父さんなんですね、知りませんでした。
- ドニーさんとチャン監督の後ろにいるあごひげの男: 麥國強 Ken Mak (aka. Kenneth Mak)。この映画のproduction designer。
- 美術家であるところの脚技の達人: 釋彥能 Shi Yanneng (aka. Xing Yu)。俳優(「導火線 FLASH POINT 」の悪人三兄弟の末弟)。
- 映画スターであるところの武器の達人: 樊少皇 Louis Fan。俳優(「イップ・マン」の道場破り)。この人、つくづく年齢不詳ですよね...
- 入れ墨師であるところの擒拿術の達人: 喻亢 Yu Kang。ドニー・イェン・アクション・チームの主力メンバー。
- トランシーバーで喋っている男: 郭文奇 Kwok Man-ki。この映画のfirst assistant director。
- ドニーさんにマッサージしてもらっている、娘の仇を討った際の古傷が痛む囚人: 黃志強 Kirk Wong。監督(「ガンメン 狼たちのバラッド」)。俳優としても出演作が多く、ツイ・ハークの「ロボフォース 鉄鋼無敵マリア」に出ているらしい。この映画、ずっと前から観たくてたまらないのだが...
- 最初の殺人現場の検死官: 金培達 Peter Kam Puit Tat。この映画の音楽。作曲家(「孫文の義士団」)。
- ドニーさんに理由無く喧嘩を吹っかけられた挙句、腹をしたたかに殴られる可哀想な囚人: 孟海 Mang Hoi。俳優(「蜀山奇傅 天空の剣」)。
- トラックの前にいるカメラマン: 張文寶 Man Po Cheung。この映画の3rd unit cameraman。
- その左でカメラを操作している人: 黄永恆 Horace Wong (aka. Wing-Hang Wong)。この映画のdirector of photography。なんということだ、ジョン・ウー「男たちの挽歌」「狼」「ハードボイルド」の撮影監督ではないか!
- フォンが住んでいたアパートの大家: 楊盼盼 Sharon Yang (aka. Pan Pan Yeung)。かつてのカンフー・スターだそうだ。
- 入れ墨屋の壁の映画ポスター: 「片腕必殺剣」。主演は王羽 Jimmy Wang-Yu、監督は張徹Chang Cheh、プロデューサーは邵仁枚 Runme Show。
- フォン(ワン・バオチャン)の名前のみならず、彼のアパートの所在地まで知っている大変都合の良い老人: 袁祥仁 Yuen Cheung-Yan。監督、俳優、スタントマン。ユエン・ウーピンの弟さんだそうだ。
- 訴えかけるドニーさんに、紅茶とトーストも用意しますかと嫌みを言う看守: 李達超 Lee Tat-chiu。アクション監督、俳優(「ゴッド・ギャンブラー」)。
- ニキビの看守: 伊诺 Enoch Chan。この映画のvisual effects supervisor。このシーン、本編にはないような気がする。
- 訴えかけるドニーさんに、明日テレホンカードを買えという看守: 梁小熊 Tony Leung。「イップ・マン」のアクション振付としてクレジットされている。
- 極悪非道な格闘家に殺されるキックボクサー: 近彼岸 Bey Logan。脚本家、プロデューサー。著書に"Hong Kong Action Cinema"がある。
- ドニーさんが「人を殺しちゃいました」と自首してきたので電話を掛ける当直警官 : 陳偉雄 Steve Chan。音響効果(「アイアン・フィスト」)。
- ドニーさんが「人を殺しちゃいました」と自首してきたときの黒縁眼鏡の当直警官: 黃偉輝 Wong Wai-fai。スタント(「グリーン・デスティニー」)。
- ロク警部に電話でプレッシャーをかける総監: 曽景祥 Kinson Tsang。この映画のsound designer。
- ワン・バオチャンにメイクしている男: Mark Philip Garbarino。この映画のspecial make-up artist。
- ドニーさんがロク警部の銃を奪ったときにロク警部の背後でびっくりしている警官: 姚文基 Yiu Man-kei。俳優。「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」にクレジットされているが、どの役だったのかわからない。
- 最初の殺人現場で「運転席にドラッグが」と報告する女性警官: 周淑慧 Chow Suk-Wai: (aka. Apple Chaw)。女優、スタント。
- かつての武器の達人がやっている屋台でつけっぱなしになっているTVで流れている映画: 映画「セブン・ソード」より、劉家良 Lau Ka-Leung の出演シーン。
- 美術館でのアクションを振り付けている人: 董瑋 Stephen Tung Wei (aka. Wei Tung)。この映画では香港動作特技演員公會としてクレジットされている。著名なアクション監督として名前を聞き覚えていたが、このたび顔をみてはじめて気が付いた。なんと、ジョン・ウー「ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌」で無惨に殺される情報屋ではないか!懐かしい!
- ドニーさんに頼まれてロク警部に電話してくれるトラック運転手: 元彬 Yuen Bun。この映画のmartial arts director。入れ墨屋でのアクションを振り付けている由。
- 事件終結後、ロク警部が訪ねてきたとドニーさんに知らせる看守: 厳華 Yan Hua。この映画のmartial arts director。イェン・アクション・チームの主要メンバーにして、「スペシャルID 特殊身分」ではむやみに絶叫するギャング。
- ケーキの横の女性: 被嘉珍 Catherine Hun。この映画のproducer。
- アクションスターである武器の達人の死因について説明する監察医: 林迪安 Dion Lam。アクション監督(「インファナル・アフェア」)。
- ドニーさんにマッサージしてもらったが右肩は揉んでもらえなかった囚人: 陳會毅 Chan Fu-yee (aka. Billy Chan Wui-ngai)。往年のアクション・スターで、「ドラゴン危機一発」やキン・フー「侠女」にもクレジットされている模様。へぇー。
- 記者会見でラム警視に「僕も詠春拳を習ったけど命を狙われるか」と問う記者: 司徒慧焯 Roy Szeto。脚本家(「スウォーズマン 女神復活の章」)。
- 記者会見でラム警視を問い詰めるものの、隣の記者がアホなことを言うので笑いだす記者: 陳淑賢 Susan Chan。脚本家(「桃さんのしあわせ」)。
- 金網に向かって立ち、突然目を見開く囚人: 劉浩良 Lau Ho-leung。この映画の脚本。なお、このシーンは映画本編に見当たらないけど、刑務所の格闘シーンでお姿がちらりと拝見できるように思う。
- 身振り手振りでアクションを指導している男: 甄子丹 Donnie Yen。この映画の主演かつaction director。宇宙最強。
- かつての武器の達人がやっている屋台の客の老人: 鄒文懐 Raymond Chow。ゴールデン・ハーベスト創立者、香港映画の黄金期を支えた大物。
雑記 - 映画「カンフー・ジャングル」に登場する香港映画人たち